オフィスあるある4コマ(第11回)
チャットも会議も電話もマルチタスクを1台で
2015.07.01
私が読んだ本のひとつに、『決算書が読めない社員はいらない』(木村俊治著/クロスメディア・パブリッシング)という作品があります。タイトルが示す通り、決算書を読み解く方法を解説する記事ですが、そこには経理畑以外で活動されている従業員の声として「そもそも決算書を読むことの意味を知らなかった」などと書いてありました(『決算書が読めない社員はいらない』p3[2012]より引用)。
確かに、経営者か経理部にいる人でないと、決算書を読む意味は分かりづらいものです。しかし、たとえば銀行から借入をしようとすると、銀行からは必ず社長による決算書を含む事業計画の説明が求められるように、ビジネスを継続するうえでは欠かせないものです。
決算書を読む一番のメリットは、その会社が利益を出すための行動、お金を残すための企業行動がすぐにわかる、ということです。私は税理士という立場上、企業の経営者、金融機関の方々と話をする機会が多くありますが、経営に参画している方や金融機関で活躍している方は、みな決算書や財務状況のことを前提に事業計画を考えています。決算書を読み解くというのは、優れたビジネスマンになるための必須スキルになってきているのです。
決算書の読み方を既にご存知の方も多いと思いますが、中にはいまいちピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。復習の意味も込めて、ここで決算書ともう一度向き合ってみませんか。
では具体的に決算書を見ていく作業に入ります。決算書は大きく3つの書類に分かれており、1つ目が経営成績を示す「損益計算書」、2つ目が資金の流入と支出を示す「キャッシュフロー計算書」、3つ目が財産状況を表す「貸借対照表」となります。上場企業であればたいていの企業がホームページに掲載しています。自社でも、気になる企業でも良いので、実際の決算書と合わせて見ていただけると、より理解が深まると思います。
本稿では一般的に決算書を読む順序でお伝えしますが、この中で特に押さえたいポイントは、損益計算書の「営業利益」、キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」です。少なくとこの2つの項目だけは、ぜひご一読いただければと思います。
それでは「損益計算書」から見ていきましょう。損益計算書で一番上にくるのは「売上高」です。これは商品やサービスを販売・提供したことによる収入を表します。
次に「売上原価」という欄があります。要は販売物やそのサービスができるまでに必要とした費用のことです。「期首商品」や「期首製品」と示されているものが前期末に残っていた商品で、「期末商品」や「期末製品」は、当期末に残った在庫を示します。
売上原価は、期首の在庫と当期に掛った経費との合計から当期末に残った在庫を差し引くと、当期の売上高に対応する原価が計算されます。ここで売上高と売上原価の差額が「売上総利益」、いわゆる粗利益となります。
この時点で利益がでていなければ、利益自体が全く出ないわけですから、不採算事業となります。
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神谷 拓摩(かみや会計事務所)
税理士
大阪府吹田市出身。2002年3月履正社高校卒業、2006年3月慶應義塾大学商学部卒業。その後6年間、税務会計事務所、税理士事務所にて税務、会計事務に従事する。2014年6月に独立、かみや会計事務所開業。
2022年5月20日(金)① 14時00分〜15時00分(予定)② 18時00分~19時00分
テレワーク関連
新型コロナウイルスの影響もあり、企業におけるテレワークの導入が拡大しました。
一方でまん延防止等重点措置が解除され、今後どのような働き方を目指すべきか迷われる企業様も増えているのではないでしょうか。
本セミナーでは日本テレワーク協会の村田瑞枝氏をお招きし、これからのテレワークのトレンドや、コミュニケーションのあり方についてお話いただきます。
ぜひこの機会にご参加ください。
2022年3月7日(月)~2023年3月31日(金)
法改正関連
2023年導入予定のインボイス制度の対応の準備はできていますか。インボイス制度は、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として導入されます。仕入額控除の要件として、適格請求書発行事業者が発行する「適格請求書」の保存が必要となります。本セミナーではPwC税理士法人 村上 高士氏をお招きし、課税事業者の皆さまの立場で、インボイス制度導入後に何が変わり、どのような影響があるのかを解説します。