弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第15回)裁判沙汰になる前に!紛争予防のための弁護士活用術

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公開日:2015.10.19

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 ビジネスの世界では、代金未払い、商品のクレームといったお金や心理面に関わる紛争は、残念ながら起ってしまうものです。ですがその解決の方法として、長い時間や高いコストがかかる裁判を用いることはできるだけ避けたいものです。裁判では紛争解決までに1年近く要することはよくあります。また、裁判自体が専門的であるため、弁護士に依頼せざるをえず、その場合には、争いとなる金額が大きいほど、弁護士費用も高額になるのが一般的です。

 スムーズにビジネスを行い、無駄な時間とコストを使わないためにも、紛争は予め防いでおくのが非常に重要となります。今回は紛争予防の手段として、弁護士を活用した例を紹介します。

なぜ弁護士が紛争予防に役立つのか?

 そもそもなぜ弁護士が紛争の予防に役立つのでしょうか。それは、弁護士は裁判となった際に、何が必要となるかを知っているからです。

 弁護士は、裁判のプロです。裁判では、「証拠」に基づき、事実が認定され、勝ち負けが決まります。そのため、「証拠」が非常に重要です。どんなにやり手の弁護士に依頼をしたとしても、「証拠」がなければ裁判に勝つことはできません。逆に「証拠」さえ揃っていれば、多くの弁護士が有利な結論を導くことができます。

 この「証拠」は、基本的には、紛争が起きた後には作ることができません。紛争となってから契約書を作っておけばよかったと後悔しても遅いのです。

 弁護士は、裁判の場で常に「証拠」を扱っています。契約書に限らずどのような「証拠」があれば、裁判になったときに勝てるのか、どのような「証拠」がなければ負けるのかということに敏感です。

 そのため、弁護士に事前に相談をすれば、紛争になりそうなところを予想し、効率的に「証拠」を作ることができます。「証拠」があれば、交渉などを有利に進めることができます。その結果、紛争を予防することができるのです。

紛争予防のための弁護士業務

 それでは紛争予防のために、弁護士は具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。具体的な例としては、契約書の作成やチェックがあります。

 インターネット等の普及により、一般的な契約書の書式は容易に入手できるようになりましたが、実際に利用するビジネスの特徴を反映していないことも多く、契約書(つまり証拠)としては不十分なことがあります。…

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本間 由也

こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士

1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。

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