システム構築のための調整力向上講座(第25回)モチベーションの向上に必須の高い自己効力感

コミュニケーション

2017.10.12

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 前回は目標設定理論を活用したモチベーションアップのポイントを紹介しました。今回は、モチベーション向上に必須の「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」について解説します。設定された目標に対して前向きに取り組めるかどうかは、「自分はできる」と思えるかどうかに大きく左右されます。自分はできるという自分への信頼を「自己効力感」といいます。

 困難な状況に直面したとき、自己効力感が高い人は困難な状況を克服しようと努力するでしょう。むしろ、困難な状況を楽しんだり、自分が成長できるチャンスと捉えたりするかもしれません。

 しかし、自己効力感の低い人は「頑張ってもできないかもしれない」と考えて、努力する気力を失ってしまうのです。人は自分ができそうだと思えれば頑張れますが、できそうにないと思っていると積極的になれないのです。

 プロジェクトリーダーを任されるような人は、この自己効力感が高い人が多い傾向にあります。そして、困難な状況を克服しようとしないメンバーの姿勢に対して「やる気が足りない」「向上心が足りない」などと判断してしまいがちです。

 重ねて言いますが、メンバーのモチベーションを維持できるリーダーとなるには、「人はそれぞれ違う」ということを知る必要があります。自分なら「頑張ればなんとかなる」と思えることであっても、そうは思えない人もいるのです。

 プロジェクトリーダーとして必要なのは、メンバーに「自分もできるかもしれない」と思ってもらうように、自己効力感の源泉に働きかけることです。自己効力感は、次の4つの源泉から生み出されるといわれています。

1)達成体験:自分自身で成功した、あるいは達成したという体験
2)代理体験:自分以外の誰かが達成している様子を観察して、自分にもできそうだと感じる体験
3)言語的説得:自分に能力があると言語的に説得されること
4)生理的情緒的高揚:酒などで気分が高揚すること。ただしこれは一時的なもので、すぐに消失してしまう

 メンバーの自己効力感を高めるには、具体的なアプローチとして、以下のようなものが考えられるでしょう(図1)。

図1:リーダーが働きかけるべき自己効力感の源泉

スモールゴールを設定し、達成まで導く
 達成体験を得るには、小さな成功を数多く経験することです。そのためには、小さな目標(スモールゴール)を設定し、1つずつ達成していくのが有効です。やる気ばかりが先行して空回りしがちなメンバーは、高過ぎるゴールを設定しがちですし、やる気のない人にも「これぐらいならできるかも」と思えるようなゴールを設定して、やる気を引き出すことが大切です。…

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執筆=芝本 秀徳/プロセスデザインエージェント代表取締役

プロセスコンサルタント、戦略実行ファシリテーター。品質と納期が絶対の世界に身を置き、ソフトウエアベンダーにおいて大手自動車部品メーカー、大手エレクトロニクスメーカーのソフトウエア開発に携わる。現在は「人と組織の実行品質を高める」 ことを主眼に、PMO構築支援、ベンダーマネジメント支援、戦略構築からプロジェクトのモニタリング、実行までを一貫して支援するファシリテーション型コンサルティングを行う。

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