なぜ今「地方創生」なのか?その意味と行方(第1回)

地方は主体的に動かなければならない

2015.12.04

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 昨年来、テレビや新聞などで「地方創生」という言葉をよく目にしたり、耳にしたりします。ですが、地方創生とは一体どんなものか、いまひとつよく分かっていない方もいるのではないでしょうか。

 似た響きのフレーズに「ふるさと創生」というのがあります。こちらはバブル経済華やかりし1988~1989年、当時の竹下登首相の発案で、全国の市町村に地域活性化の資金として1億円ずつ交付金を配った政策です。国が使い道の指示をしない制度だったこともあり、お国自慢のモニュメントを創ったり、金の延べ棒を購入してそのまま展示したりと、その効果には疑問符が付けられる政策でした。

 こうした前例があるだけに、今回の地方創生が何を目的に、何をするのかが気になります。今回、地方創生について知っておくべきポイントを、2回に分けて解説します。まず前編では、地方創生の背景と目的、そのフレームワークとなる基本目標を説明しましょう。

 日本は今「人口減少」という大きな課題に直面しています。2008 年をピークとして人口減少局面に入り、今後、2050 年には9700 万人程度、2100 年には5000 万人を割り込む水準にまで減少するとの推計があります。加えて、地方と東京圏の経済格差の拡大などが、若い世代の地方からの流出と東京圏への一極集中を招いています。地方の若い世代が、過密で出生率が極めて低い東京圏をはじめとする大都市部に流出し、日本全体としての少子化、人口減少につながっているのです。

 そして地方は、人口減少を契機に、「人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させる」という負のスパイラル(悪循環の連鎖)が生まれる可能性が高くなっています。さらに、このまま地方が弱体化するならば、地方からの人材流入が続いてきた大都市もいずれ衰退し、日本の競争力が弱まるのは必至です。

 こうした危機感から、2014年9月、第2次安倍内閣発足の際、「まち・ひと・しごと創生本部」(通称・地方創生本部)が設置され、担当大臣には実力派の石破茂衆議院議員を起用し、同年末には「まち・ひと・しごと創生法」が施行されました。安倍内閣が重要課題として位置づける、この地方活性化の一連の取り組みを総称して「地方創生」と呼んでいます。

4つの基本目標で総合的に推進

 地方創生は、「東京一極集中の是正」「若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現」「地域の特性に即した地域課題の解決」の3つを基本的な視点として取り組みます。それを具体化するために、4つの基本目標を掲げています。… 続きを読む

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