五郎丸に影響与えた指導者の部下育成術(第4回)“イケてる瞬間”を思い出させ、強みを自覚させよ

人材活用

公開日:2016.03.23

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ラグビーワールドカップの大活躍で話題となった五郎丸歩選手。選手として基礎を固めた早稲田大学ラグビー蹴球部時代の監督が中竹竜二氏だ。五郎丸選手は、今でも影響を受けた指導者として中竹氏の名前を挙げる。中竹氏に結果を出す部下への指導法を学ぼう。

 今回も「部下に気づきを与える」言葉のかけ方を紹介する。前回、短所を補う強みを導き出すことの重要性を解説した。それではその強みを導き出すためにはどうしたらいいのか。そのヒントは「イケてる自分」を思い出させることにある。そして、その強みを結果に結びつけるのが上司の役割である。

 「君の強みは、勝負勘に優れているところだと思うよ」。早稲田の監督時代の、ある選手との個人面談。私は彼にそう言った。彼はラグビー選手としては体が小さく、足が速いわけでも、力があるわけでもない。悪いところがない代わりに強みも見えないタイプ。本人も自分の強みが分からず、ずっと悩んでいた。

 しかし、そんな彼の練習や試合でのプレーを見ていると、とても光っている瞬間があった。それは、ゲームの流れが変わるときだった。ピンチをチャンスに変え、それによってゲーム全体の風向きを逆転させる。大差で負けているときはまったく活躍しないが、接戦では大活躍。チームを勝利に導く力を持っていた。

 どんなに自信が持てない人でも、「瞬間」を切り取れば必ず強みはある。彼の明確な強みが発見できたのも、彼を注視し、「その瞬間」を見極められたからだ。

ある瞬間だけを切り取れば、比類なき能力を発揮する…

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中竹 竜二

1973年福岡生まれ。93年早稲田大学入学、4年時にラグビー蹴球部主将を務め、全国大学選手権準優勝。卒業後、渡英しレスター大学大学院社会学部修了。2001年三菱総合研究所入社。2006年早稲田大学ラグビー蹴球部監督就任。2007年度から2年連続で全国大学選手権を制覇。2010年退任後、(公財)日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクターに就任。近著に『部下を育てるリーダーのレトリック』(http://www.amazon.co.jp/dp/4822249719)がある。

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