五郎丸に影響与えた指導者の部下育成術(第10回)成功したときこそ、振り返りを重視しよう

人材活用

公開日:2016.09.14

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ラグビーワールドカップの大活躍で話題となった五郎丸歩選手。選手として基礎を固めた早稲田大学ラグビー蹴球部時代の監督が中竹竜二氏だ。五郎丸選手は、今でも影響を受けた指導者として中竹氏の名前を挙げる。中竹氏に結果を出す部下への指導法を学ぼう。

 仕事で失敗したときに振り返るのは当たり前。一方、成功したときに行うべきルーティンにはどんなものがあるのだろうか。今回の「部下に気づきを与える」言葉は、ビジネスでの成功を継続させる際に役立つものだ。最終回は、部下を育てる際に欠かせないシンプルな一言に迫る。

 部下が目標を達成したとき、どんな言葉をかけるだろうか。「良かったな」「頑張ったかいがあったな」。このような声かけが一般的だろう。私もまずはそう言うが、その後に「成功したときこそ、振り返りを重視しよう」と続ける。

 部下が失敗したとき、その原因を見つけるために振り返りをさせることの重要性は、多くの上司が知っている。では、成功したときはどうだろうか。現場は忙しい。成功したのだから、わざわざ振り返りをするモチベーションは働かないだろう。

 しかし、私は成功したときにも振り返りをすべきだと思うし、ラグビーでも実際に試合に勝ったとき、選手が成長したときに振り返りの時間を大切にしてきた。

 その理由はまず、成功を再現するためには、うまくいった要因を抽出しておくことが重要だからである。成功や成長には、ある種の「ラッキー」が付きまとう。強豪校に勝てた。それは相手のエースがケガで欠場したから。こちらの選手が全員、とても調子が良かったからなど。しかし、この程度の分析で終わっていては、勝利を再現するのは難しい。

 相手のエースが出場していたら、どんなゲーム運びになっていただろうか。エース欠場の問題だけではなく、味方にはどんないいところがあったのか。調子がいい状態をなぜつくることができたのか。これらを真剣に考えることで、成功の再現性は高くなる。…

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中竹 竜二

1973年福岡生まれ。93年早稲田大学入学、4年時にラグビー蹴球部主将を務め、全国大学選手権準優勝。卒業後、渡英しレスター大学大学院社会学部修了。2001年三菱総合研究所入社。2006年早稲田大学ラグビー蹴球部監督就任。2007年度から2年連続で全国大学選手権を制覇。2010年退任後、(公財)日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクターに就任。近著に『部下を育てるリーダーのレトリック』(http://www.amazon.co.jp/dp/4822249719)がある。

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