プロ野球に学ぶ、勝つ組織に必要な人材(第1回)1985年の阪神に何が起こったか?川藤幸三の機能

人材活用

公開日:2016.02.15

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 阪神タイガースは1964年にセ・リーグ優勝を果たして以降、52年間でわずか3度(1985年、2003年、2005年)しかリーグ優勝していない。低迷することが多かった球団が3度の優勝を果たしたときには、一体どのようなチーム状態だったのだろうか。どのような人材管理がなされていたのだろうか。阪神における過去3度の優勝から、組織が勝つために必要なものが何かを探る。

ホームランで圧倒した1985年。四番打者をそろえれば勝てるのか?

 阪神の長い歴史の中で、最も低迷していた時期は1977年から2002年の26年間である。この間Aクラス(セ・リーグ6チーム中3位以上)に入ったのはたったの5回、Bクラス(4位以下)になった率が8割を超える弱小チームとなっていた。

 しかし1985年に、たった一度だけリーグ優勝を果たし、球団初の日本一に輝いている。真弓明信選手、ランディ・バース選手、掛布雅之選手、岡田彰布選手の4人が30本塁以上を打ち、チームの本塁打数は200本を超えた(219本)。点を取られても取り返す逆転劇を幾度となく繰り広げ、21年ぶりの優勝を果たしたのだ。

 優勝できた直接的要因の一つは、“強力打線”であるのは明白だ。しかし、ホームランバッターを何人もそろえたからといって、優勝できるものではない。代表的な例は1997年の巨人だ。当時の巨人はもともと松井秀喜選手、広沢克己選手(元ヤクルト4番)というホームランバッターを抱えていたが、この年はさらに清原和博選手(元西武4番)、石井浩郎選手(元近鉄4番)を獲得。しかし、ペナントレースは4位に終わった。

 チームが優勝するためには、選手たちがシーズンを通じてチーム一丸となり、活躍し続けなければならない。勝つために必要なこと、それがチーム一丸となる組織マネジメントである。確かに、1985年には素晴らしい選手がそろっていた。しかし、1985年以外の阪神にも、素晴らしい選手は大勢いた。にもかかわらず、優勝できなかった。1985年と、その他の年の違いはどこにあるのだろうか。

小林の言葉で突き動かされたのは掛布だけではなかった…

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執筆=峯 英一郎studio woofoo

ライター・キャリア&ITコンサルタント。IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行う。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。

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