プロ野球に学ぶ、勝つ組織に必要な人材(第2回)2003年の覚醒、阪神を蘇らせた星野仙一の存在感

人材活用

2016.03.30

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 阪神タイガースは、1985年に21年ぶりのセ・リーグで優勝し、さらに初の日本一の座をつかむ。しかし、その後、再び低迷。長いトンネルをくぐり抜けた後、ようやく2003年に18年ぶりのリーグ優勝を果たした。

 チームを再浮上させるために一体、どのようなマネジメントが執られたのだろうか? 2003年の優勝から、かつて興隆した組織が、衰退した後、再び、栄光を手にするために必要なものが何かを探る。

組織再生のはじめの第一歩は「トップ交代」

 第1回で1985年の優勝を成し遂げたプロセスを紹介した。巨人のエースである小林繁選手が加入したことが起爆剤となり、実力ある個性派ぞろいの選手たちがチームとして勝つことを目標にまとまった。これと選手の自主性を生かすマネジメントとが相まって、阪神は優勝を果たす。

 しかし1986年、それまで生え抜きの4番として連続試合出場を続けていた掛布雅之選手が故障しがちになると、チームの勢いやまとまりは影を潜めはじめる。そして再び、長い低迷期に入ってしまった。1986年から2002年までの17年間のチーム成績は、最下位10回、Aクラス入りしたのはわずかに2回。そこには、伝統ある強豪チームの面影すらなくなっていた。

 阪神タイガースを18年ぶりの優勝へと導くこととなる第一歩は、球団オーナーの優勝するための英断「OB以外の監督招聘」であった。

「考える」土壌をつくった野村監督

 これまで阪神の監督には、1961年から1968年の藤本定義監督や、1979年ドン・ブレイザー監督、1980年にそのブレイザー監督からシーズン途中で引き継いだ中西太監督といった例外を除けば、基本的に阪神のOBが就任してきた。

 その阪神が18年ぶりに、OB以外の監督として、かつて弱小チームであったヤクルトスワローズをわずか3年で優勝へと導き、在任期間中の9年間にリーグ優勝4回、日本一3回に成し遂げた名将・野村克也監督を招き入れたのだ。

 1999年から阪神の指揮を執った野村監督は、ヤクルト時代と同様、選手に「考える野球」「ID野球」を徹底的に教え込んだ。これは後に選手の力へと変わっていくのだが、当時の阪神の選手たちにとっては今まで考えもしなかったことの連続で、理解の難しいものだった。

 野村監督は、ヤクルトの選手にはミーティングの都度、ホワイトボードに書きながら説明し、選手たちがそれぞれ自分のノートにメモしていた。しかし阪神では、少しでも早く選手に理解させるために、「野村の考え」としてコピーしたものを選手に配布してミーティングを行った。しかし、このやり方では思うような効果は得られなかった。

 ヤクルト時代には3年目に優勝を果たしたが、阪神では3年目となる2001年シーズンも最下位に甘んじていた。その上、野村監督夫人の脱税問題がマスコミに取り上げられてしまい、監督を交代せざるを得なくなってしまう。退団が決まると野村監督は、後任に自分とは異なるタイプの人物を推薦した。それが、この年まで中日ドラゴンズを率いていた星野仙一監督であった。

日光を照らし、選手を発奮させた星野監督…

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執筆=峯 英一郎studio woofoo

ライター・キャリア&ITコンサルタント。IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行う。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。

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