脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2018.02.19
2007年設立で、2011年4月からインターネット経由でさまざまな食材を首都圏の飲食店に販売し始めた八面六臂(東京・中央)。以前は、鮮魚が中心だったが、飲食店のニーズに応えて野菜や肉などの取り扱いを増やしている。
同社を創業した松田雅也社長は、ITを武器に食材の流通に切り込んで効率的な配送を実現。2000~3000品目を個人経営の飲食店に提供して喜ばれている。かつては銀行やIT業界にいた松田社長がなぜ食品流通に関わり、どのように変革しようとしているのか(聞き手は、デロイト トーマツ ベンチャーサポート事業統括本部長、斎藤祐馬氏)。
斎藤:以前は、ITを駆使した新鮮な魚の販売が中心でしたが、今は扱う商品がだいぶ増えたそうですね。
松田:青果や精肉なども扱うようになり、取扱品目が以前より大幅に増えて、2000~3000品目に達しています。全体の3分の1が青果、3分の1が水産物、残り3分の1は精肉、冷凍食品、加工品などです。料理人の要望に応えるため、他の食品ネット通販ではめったに扱っていない珍しい野菜もそろえています。加賀野菜の金時草(きんじそう)や京野菜の壬生菜(みぶな)、ナス1つ取っても大長ナス、小ナス、岡山千両ナスなど幅広くそろっています。こうした食材を扱うための地方からの仕入れルートを5~6年かけてつくってきました。
斎藤:販売先は飲食店ですね。
松田:お客さまは個人オーナーの飲食店(個人店)が多いです。現在、毎月継続的に注文をいただくお客さまは800~1000店ありますが、一度契約していただき、当社の良さを理解していただくと、ほとんど解約はありません。カバー範囲は東京、埼玉、千葉、神奈川で、すべて自社物流網で配送しています。
斎藤:中には少量の注文があると思いますが、配送費用はどうしているのですか。
松田:配送料は先ほどお話しした1都3県どこでも重量に関係なく1回当たり一律500円をいただいています。また年会費4980円の会員サービスに入会していただくと、配送料は無料となります。もちろん、中には1回当たりの金額が100円前後という注文もありますが、それでも構いません。お客さまのある日の注文が100円だけでも翌日は1万円かもしれない。週単位、月単位という長い時間軸で収支を考えるようにしています。
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斎藤 祐馬
トーマツ ベンチャーサポート事業統括本部長 1983年愛媛県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、2006年にトーマツに入社。2010年にトーマツ ベンチャーサポートを事実上立ち上げた。公認会計士でもある。
※トーマツ ベンチャーサポートは、2017年9月1日より「デロイト トーマツ ベンチャーサポート」に社名変更しました。
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