プロ野球に学ぶ、ミスターと呼ばれし者の流儀(第1回)長嶋茂雄も憧れた初代“ミスター”藤村富美男

人材活用

公開日:2016.05.30

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 「ミスター○○」といえば、多くの人がミスター・ジャイアンツ、ミスター・プロ野球こと、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督のことを思い起こすのではないだろうか。しかし、そのミスター・ジャイアンツ長嶋氏よりも前に、ミスターの称号を手にした男がいる。初代ミスター・タイガースこと藤村富美男氏(現・阪神タイガース)である。

 本コラムの第1回は、長嶋氏の憧れの存在でもあった、藤村富美男氏を取り上げる。彼は、チーム内だけでなく球界から一目置かれた存在として活躍した人物だ。人を惹きつけ“ミスター”と称賛される人物になるための条件とは一体何なのだろうか?

野手と投手と監督を兼任、6位でもMVP

 藤村選手は1936年から1958年の間、阪神タイガース(入団当時は大阪タイガース)で活躍したプロ野球選手である。20年以上も同じチームでプロ生活を続けられただけでも十分すごいが、成績もミスター・タイガースの名に恥じないものである。首位打者1回、本塁打王3回、打点王5回、シーズンMVP1回、通算打率はジャスト3割だ。また、投手としても34勝11敗・防御率2.34という成績を残している。

 さらに、投手と野手の二刀流だけでなく、捕手以外のすべてのポジションを経験している。例えば、三塁の守備から、ブルペンでのウォーミングアップなど全くせず、そのままリリーフで登板し抑えるという、今の野球では到底考えられない離れ業をやってのけたこともある。あまつさえ、現役時代の晩年には、選手でありながら監督も務めている。

 1949年には187安打、46本塁打、142打点と、主要三部門のシーズン日本記録を一度に更新するという驚異的な記録を残した。それまでの最多ホームランは、巨人の川上哲治選手と青田昇選手の持つ25本、打点は藤村氏自身が持つ108打点で、ともに大幅な更新である。首位打者は惜しくも小鶴誠選手(大映ユニオンズ)に譲り三冠王にはなれなかったが、チームは6位(全8チーム)にもかかわらず、リーグの最優秀選手賞(MVP)に選出。藤村氏は多くのファンの心をつかみ、いつしか彼はミスター・タイガースと呼ばれるようになった。

“ワシは誰も持てないような長いバットでホームランを打つ”…

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執筆=峯 英一郎studio woofoo

ライター・キャリア&ITコンサルタント。IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行う。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。

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