オフィスあるある4コマ(第11回)
チャットも会議も電話もマルチタスクを1台で
2016.11.16
現在、阪神タイガースの監督を務める金本知憲氏は、2000年代の阪神に多大な貢献を残した選手である。
個人記録としては、2010年に連続試合フルイニング出場(1492試合)、連続イニング出場(1万3686イニング)の世界記録を打ち立てた。チームとしても、2003年、2005年のタイガース優勝の立役者である。さらに、4番として通算910打席に立ったのは、田淵幸一氏、掛布雅之氏をしのぎ、初代ミスター・タイガース藤村富美男氏に次ぐ第2位の記録である。歴代のミスター・タイガースと比べても文句なしの功績である。
とはいえ、FA(フリーエージェント)で広島カープから阪神に移籍した経緯もあってか、金本氏はミスター・タイガースとは呼ばれていない。その代わり、“アニキ”の愛称で阪神ファンから絶大なる支持を得た。2015年の現役引退後も、すぐに監督に選ばれるほどだった。
ミスター・タイガースではないものの、なぜ彼は“アニキ”と慕われたのか。その裏には、金本氏のチームに対する真摯な姿勢があった。
数多くの記録を持つ金本氏だが、数ある記録の中で、特に誇りに感じている記録が1つある。それが、「1002打席連続無併殺打」の日本記録だ。つまり、内野ゴロなどの凡打であっても、チームのチャンスを潰してしまうダブルプレーを、1002打席もの間回避し続けたのである。
あまり注目度の高い記録ではない上、給料の査定につながる記録でもない。しかし金本選手は、たとえ凡打をしたとしても、全力疾走することでダブルプレーを回避した。凡打をしてしまえば、「しまった」と天を仰いだり、トボトボと背中を丸めて走塁してしまいがちだが、金本氏はそれを自分に許さない。常に、1つでも塁を進めるための全力疾走を自らに課していた。
金本氏の全力プレーは、走塁だけではない。守備も常に全力であった。打者として3割30本塁打をマークしていれば、たとえ20個のエラーをしていても、給料は上がる。打っていれば守備は大目に見てもらえるのだ。実際、そういった外野手も大勢いる。しかし、金本氏は自分に対して絶対にそんなことは許さない。
世界記録である連続フルイニング出場も、うがった見方をすれば、すべての打席に立つより、調子が悪い日は適度に休み、調子が良い時期にまとめて打った方が、良い打撃成績が残せそうではある。しかし金本氏に“適当に休む”という考えはなかった。たとえケガをした状態であっても、グラウンドに立つ以上、それはケガではない。その程度のケガであれば、ゲームに出ながら治せばいい、とあえて試合に出場し続けることにこだわったのだ。
執筆=峯 英一郎(studio woofoo)
ライター・キャリア&ITコンサルタント。IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行う。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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