脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第81回)
成功するポイント?アクセスポイント
公開日:2017.06.29
長時間座りっ放しでパソコンに向かうデスクワークでは、オフィスチェアの重要性は見逃せません。自分に合わないチェアに座り続けると、肩こりや腰痛といった健康リスクにつながり、作業の効率が落ちてしまいます。
今回は、毎日の仕事を陰で支えるオフィスチェアの中から、特徴的な構造を持った3製品を紹介します。
高級オフィスチェアの代表格は、米国ハーマンミラーの「アーロンチェア(クラシック アーロンチェア)」です。1994年の登場以来、世界で700万台を超えるベストセラーです。プロダクトデザインの傑作として、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品になっていることでも知られます。丸みを帯びた背もたれと座面という、その独特のシルエットに、見覚えのある人も多いでしょう。
アーロンチェアは、デザインに加えて「素材」も特徴の1つです。従来のオフィスチェアは、背もたれと座面のクッションにウレタン材を使い、それを表布で覆うものが一般的でした。ところがアーロンチェアの背もたれと座面は、ウレタン材を使わず、向こう側が透けて見えるほどの粗いメッシュ地が張ってあるだけです。つまり、座る人の体重を張力で支える構造となっているのです。
「ペリクルサスペンション」と称されるこの独特な仕組みは、ウレタン材とは違い、内部に熱がこもらない構造です。この構造の開発には、実に7年もかかったといわれています。
アーロンチェアではこれ以外にも、前傾から後傾までさまざまな姿勢に追従するリクライニング機構を採用。背もたれは、背骨と骨盤の位置を安定させる独自形状となっています。
今年1月には、設計とデザインの大枠をアーロンチェアから受け継ぎながら、素材や操作性などを見直した新モデル「アーロン リマスタード」が登場しています。価格は、いずれも10万円台中盤から後半と高額ですが、長時間座っていても疲れにくい機能性は多くのユーザーが認めています。
先日、新宿に新オフィスを構えたあるIT企業も、スタッフ用のチェアをこのアーロンチェアで統一しています。
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執筆=大久保 通
フリーライター。地方紙・業界紙での記者経験を経て独立。企業取材、インタビューを中心に幅広く執筆活動を行っている。
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