遊びから見つかったビジネスの種(第4回)「ヨーヨー」に学べ。商品を魅力的に見せる極意

雑学

公開日:2016.10.27

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 「ヨーヨー」といえば、ヒモが付いた小さな円盤を投げて遊ぶおなじみの玩具です。現代社会において、恐らく遊んだことのない人はいないであろうレベルで普及しています。

 ヨーヨーが市民権を得た裏には、ある男による優れたビジネス活動があったことはあまり知られていません。ここでは現代ヨーヨーの立役者と、彼が行ったビジネスの手法について述べていきます。

ヨーヨーの可能性に賭けた男

 1930年代アメリカ西海岸での出来事です。後に「ヨーヨーの父」と呼ばれるドナルド・ダンカンは、フィリピン移民のヨーヨーパフォーマンスを偶然目にしました。そのパフォーマー、ペドロ・フローレスは、故郷のおもちゃを売り込んでいて、宣伝を兼ねた実演を行っていたのです。歓声を上げる子どもたちに交じり、ダンカンもヨーヨーの面白さに感心します。

 しかしダンカンは周りの観衆と違い、ただ購入して遊ぶだけでは済ませませんでした。「これは売れる」と確信し、ペドロから工場から何から一切合切の権利を買い取ったのです。

 ヨーヨーの起源は定かではありませんが、紀元前に誕生したとも伝えられる古い遊具です。

 ダンカンがペドロから譲り受けたヨーヨーは木製でしたが、ダンカンはヨーヨーを子どもが遊びやすいよう小型のプラスチック製にしたり、金属部分を付け加えたり、笛のように音が鳴るタイプも作ったり、デザインに工夫を凝らしました。

 ダンカンはヨーヨーをただ売るだけでなく、商品の背景となるマーケティング戦略も重視しました。当時の宣伝は広告に写真や絵を掲載するのが普通でしたが、ダンカンはあえて実演販売にこだわります。見事に動き躍動するさまがヨーヨーの魅力だと考えたのです。

「ヨーヨーは猛獣をも倒した神秘的な武器」…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=味志 和彦

佐賀県生まれ。産業技術の研究者を経て雑誌記者など。現在コラムニスト、シナリオライター。

【T】

「雑学」人気記事ランキング

連載バックナンバー

オンラインセミナー動画

配信期間

2024年10月24日(木)~2024年11月29日(金) 

セキュリティ関連

セキュリティコンサルタントが解説!いま企業がとるべきサイバー攻撃対策とは

配信期間

2024年9月2日(月)~2025年3月31日(月)

カーボンニュートラル関連

カーボンニュートラル実現への第一歩~温室効果ガスの可視化・削減の最新動向と具体事例~