経営者のための女性力活用塾(第13回)

日本版「ワーク・ライフ・バランス」の限界とは?

2017.10.18

クリップについて

 第11回第12回で説明した「ワーク・ライフ・バランス」という考え方は、当初こそ「女性労働者のための育児支援」という色を濃くしていましたが、現在ではもう少し幅広い解釈をもって下の表のように説明されています。

 下の表は、内閣府が考える「仕事と生活の調和が実現した社会の姿を実現させるための3つの必要条件(一部抜粋)」です。これによれば、その対象は女性のみならず、「若者」「母子家庭の母」「労働者全般」「高齢者」など多岐にわたります。

●内閣府「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(一部抜粋)

 一時期は女性労働者を中心にした施策を重視していましたが、昨今の少子化・超々高齢化社会の実情を踏まえ、若者や学生の就労状態を改善する動きが目立つようになりました。つまり現状におけるワーク・ライフ・バランスは、女性労働者の環境改善策というよりはむしろ労働者全体、あるいは国民全体の就労環境改善のために必要だという位置付けになっているといえます。

 ということであれば、経営者の中には「女性力活用を推進したい当社としては、包括的な施策(ワーク・ライフ・バランスの拡充)よりも女性労働者に特化した即効性のある施策に取り組みたい」などと考え、政府の行動指針を軽んじる人が出てきても不思議ではありません。

 しかし、そう考える経営者が多いことが、日本でのワーク・ライフ・バランスの遅れやズレを生み出している要因の1つであることもまた事実。金銭的・人的資源に乏しい中小企業が効率を求めるあまり、かえって大きなロスを生み出すというジレンマは、今後の女性力活用の大きな課題といえるでしょう。

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執筆=坂本 和弘

1975年栃木県生まれ。経営コンサルタント、経済ジャーナリスト。「社員の世代間ギャップ」「女性社員活用」「ゆとり教育世代教育」等、ジェネレーション&ジェンダー問題を中心に企業の人事・労務問題に取り組む。現場および経営レベル双方の視点での柔軟なコンサルティングを得意とする。

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