ビジネスWi-Fiで会社改造(第33回)
Wi-Fi整備で外国人観光客自身の情報発信を促す
公開日:2019.06.26
毎月、定額料金で商品やサービスを利用できる「サブスクリプション」が注目されている。音楽や映画が聴き放題・見放題のサービスや、洋服を借り放題、レストランで食べ放題といったサービスが登場。この流れは加速し、IT分野にも広がっている。アプリケーションをクラウドサービスとして利用する形に加え、パソコン環境自体をクラウドサービスとして利用する仮想デスクトップも広がりつつある。
パソコンのソフトのみならず、ハードについても所有せずにサービスとして利用するトレンドの背景には、ITを活用した生産性向上で働き方改革を進展させようとする意図がある。柔軟な働き方を実現するためには、IT環境もサービス利用で柔軟にしておくほうがいい。
オフィスにあるIT機器の中でも、パソコンはライフサイクル管理に手間がかかるといえる。例えばWindows 7のサポート終了で新しいWindows 10へパソコンを更改する場合、導入・セットアップの知識が十分ないと、初期設定が難しいという場合がある。
無事に導入を終えても、運用フェーズでは、「ソフトの使い方が分からない」「インターネットにつながらない」といった社員からの声に対応しなければならない。社内のITに詳しい社員が業務で外出中だと、すぐに対応できないケースも考えられる。「パソコンが故障して動かない」「ウイルスに感染してデータが消失した」といった故障・トラブル対応や、パソコン廃棄時のデータ消去、パソコン廃棄処理の方法が分からないケースもある。
こうしたパソコンのライフサイクル管理の困り事に対し、パソコンの調達から導入、利用・運用時のヘルプデスクやトラブル対応などを含め、総合的にサポートするサービスが提供されている。パソコンの性能・機能・技術は急速に向上するので、すぐに陳腐化する。パソコンはもはや購入、所有するものではなく、サブスクリプションで利用するものだと割り切ったほうが得策といえる。
パソコンの管理で欠かせないセキュリティ対策も、クラウド利用型のファイル保管が有効だ。パソコンには情報漏えいの原因となるウイルス対策のほか、盗難・紛失時の対策も必要になる。一般的にはパソコンに内蔵されたハードディスクのデータ暗号化で、盗難・紛失時にもデータを守れる。だが、パソコン内でデータを保管している限り、自然災害やハードディスクの故障でデータは消失する。
パソコン内にデータを保管せずにセキュリティを確保する方法に、仮想デスクトップがある。パソコンのOSやアプリケーション、データはデータセンターやクラウド上のストレージに保管する。パソコンにデータが保存されないため、盗難・紛失による情報漏えいや、自然災害などによるデータ消失のリスクを回避できる。仮想デスクトップの環境をクラウドサービスとして利用できる仕組みも提供されている。
さらに、セキュリティ対策として注目されているのがデータレスパソコンだ。一般のパソコンでは、データをハードディスクに保管するが、データレスパソコンはその名の通り、パソコン自体にデータを保存しない。仮想デスクトップとの違いは、パソコンのOSやアプリケーションはパソコンにあるところ。業務で作成した文書などのファイルのみ、クラウド上のストレージに保管する。パソコンのハードディスクにはデータが保管されない。セキュリティ強化や事業継続計画(BCP)にも有効である。
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執筆=山崎 俊明
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