海外発ビジネス最前線(第2回)米国の退役軍人、ものづくりという戦場に挑む

時事潮流

2017.04.17

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 米国では今、退役軍人の失業が社会問題化しています。米政府の統計によると、特に18歳から24歳までの若年層における退役軍人の失業率が高く、29%にも達しています。

 そうした中、社会復帰のハードルに直面する退役軍人に対し、最新のモノづくり技術を教え、高度なスキルワーカーに育てる非営利組織「ワークショップ・フォー・ウォリアーズ」が注目を集めています。

退役軍人は「つぶし」が利かない

 ワークショップ・フォー・ウォリアーズは、米海軍の元軍人で、アフガニスタンとイラクの実戦に参加した経歴を持つハーナン・プラド氏が、2008年に設立しました。プラド氏は、除隊して社会復帰をめざす同僚の多くが仕事を見つけられず、経済的な困難に直面しているのを知り、ワークショップ・フォー・ウォリアーズの設立を思い付きました。

 退役軍人の失業率が高い理由については諸説ありますが、多くの研究者が指摘するのは、退役軍人の“つぶしの利かなさ”です。軍隊という高度に専門的な組織に属する軍人は、戦争という非日常的な行為に特化した組織の構成員であり、組織に最適化するほど社会適合性を失う傾向にあります。

 また実戦での負傷やPTSD(心的外傷後ストレス障害)なども一般的なキャリアづくりのハードルとなり、社会復帰を難しくさせています。特に若年層の退役軍人には、コンピューターやIT技術・スキルが不足しており、実社会における雇用とのミスマッチが生じているという指摘もあります。

 同社では、就職難に直面している退役軍人に最新のモノづくり技術を教え、製造業の現場で求められているハイスキル人材に育成、社会へ送り出しています。

始まりは創業者の自宅ガレージだった…

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執筆=前田 健二

大学卒業後渡米し飲食ビジネスを立ち上げ、帰国後海運企業、ネットマーケティングベンチャーなどの経営に携わる。2001年より経営コンサルタントとして活動を開始。現在は新規事業立ち上げ支援を行っている。アメリカのビジネスに詳しく、特に3Dプリンター、ロボット、ドローン、IT、医療に関連したビジネスを研究、現地から情報収集している。

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