情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方(第15回)「検討に入った」と「方針を固めた」の違い(上)

スキルアップ

公開日:2019.09.19

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 全国紙や地方紙のニュース記事の書き方は、実はかなりの程度、統一されています。

 理由の1つは、通信社の配信記事を使うためです。全国に取材拠点を持てない地方紙は、地元以外のニュースについては、共同通信や時事通信が配信する記事を掲載しています。例えば国会の動きや、東京に本社がある企業の発表などは、ほとんどが共同通信の記事なのです。全国紙も、海外のニュースなどでは配信記事を使うことがあります。

 もし、通信社の記事と自社の記事で書き方がバラバラだと、とても読みにくい紙面になってしまいます。同じ紙面なのにトップ記事が「総理大臣は」と書いて、隣にあるサイド記事が「首相は」と書いていれば、チグハグな印象を受けるでしょう。こうしたばらつきをなくすため、使う漢字の種類や企業や団体の略称はもちろん、文章の表現などまで統一しているのです。

 書き方のルールには、明文化されているものと業界の長年の文化として定着しているものとがあります。前者は『用字用語』という本にまとめられており、市販されています。一方、記事の構成や文章表現には「暗黙のルール」があり、各社で共有されているのです。

記事の構成は逆三角形…

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執筆=松林 薫

1973年、広島市生まれ。ジャーナリスト。京都大学経済学部、同大学院経済学研究科修了。1999年、日本経済新聞社入社。東京と大阪の経済部で、金融・証券、年金、少子化問題、エネルギー、財界などを担当。経済解説部で「経済教室」や「やさしい経済学」の編集も手がける。2014年に退社。11月に株式会社報道イノベーション研究所を設立。著書に『新聞の正しい読み方』(NTT出版)『迷わず書ける記者式文章術』(慶応義塾大学出版会)。

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