情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方(第19回)「政府首脳」って誰のこと?(上)

スキルアップ

2020.01.23

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 記事には、一般に「5W1H」と呼ばれる要素のほとんどが盛り込まれます。「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」といった情報です。

 その中で意外に読み飛ばされているのが「WHO(誰が)」ではないでしょうか。

 新聞記事のWHOで重要なのは、「当事者」「取材源」という2つの要素です。当事者とは、殺人事件でいえば容疑者や被害者、警察や目撃者などです。しかし、記事を読み解く上では、「当事者が誰か」と同じくらい、「誰がニュースソースなのか」も重要になります。

 記者は必ず何らかの情報源から話を聞いて原稿を書くわけですが、それが誰かということは内容の信頼性や、政治的なバイアスを判断する上で極めて重要だからです。

 問題は、日本の新聞では情報源の匿名性がかなり高く、一定の知識を持っていなければ読者には分からなくなっているということです。

 例えば、「政府首脳は◯日、記者団に対し〜であることを明らかにした」といった記事を見たことがあるのではないでしょうか。

 この場合の「政府首脳」は、先ほどの2要素の両方を兼ね備えています。つまり「当事者」であると同時に「情報源」でもあるわけです。

 つまり、これが「誰か」が分からなければ、情報の価値の半分くらいは得られないことになります。ただ、多くの人は「ああ、政府のエライ人が何かしゃべったんだな」と、その正体についてあまり詮索せずに読み飛ばすのではないでしょうか。

 もちろん、「政府のエライ人」でも記事の大意は理解できます。それで十分だという人もいるでしょう。しかし、これが「首相」なのか「大臣」なのか「どこかの省のトップ」なのかで、語った内容の重みや政治的ニュアンスは全く変わってきます。

 もし「政府の動きの先を読む」といった目的で新聞を読むのであれば、こういう曖昧な理解では不十分なのです。

「政府首脳=首相」という可能性もあるが………

続きを読むにはログインが必要です

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=松林 薫

1973年、広島市生まれ。ジャーナリスト。京都大学経済学部、同大学院経済学研究科修了。1999年、日本経済新聞社入社。東京と大阪の経済部で、金融・証券、年金、少子化問題、エネルギー、財界などを担当。経済解説部で「経済教室」や「やさしい経済学」の編集も手がける。2014年に退社。11月に株式会社報道イノベーション研究所を設立。著書に『新聞の正しい読み方』(NTT出版)『迷わず書ける記者式文章術』(慶応義塾大学出版会)。

「スキルアップ」人気記事ランキング

AIによるおすすめ記事

他の方はこんな記事も見ています

連載バックナンバー

情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方

オンラインセミナー動画

配信期間

2022年6月3日(土)~2023年3月31日(金)

業務効率化関連

企業のDX化と「攻め」のオペレーションへの転換

DXという言葉はすっかりバズワードとなり、今やすべての企業にとってデジタル化は必須となっています。
しかし、DXの捉え方は会社によってさまざまで、「とりあえずデジタル」のような取り組みをDXと位置付けているケースもございます。
本セミナーでは、まず第一部で企業におけるDXの定義とDX活動を着実に前進させるポイントについてご説明し、第二部ではDX活動の第一歩として「おまかせAI-OCR」を活用したオペレーション改革について、具体例を交えながらご紹介します。

配信期間

2022年5月11日(木)~2023年3月31日(金)

セキュリティ関連

テレワーク時代に潜むセキュリティリスク
~企業がとるべき対策とは~

組織のネットワークに侵入し、重要な業務データの暗号化や盗難と金銭目的の脅迫を行う「侵入型(標的型)ランサムウェア」が猛威を奮っています。
日本でも被害が相次ぎ最大限の警戒が必要な状況が続いていますが、オフィスのリスク・脅威への備えは万全ですか?
本セミナーでは、最新の侵入型ランサムウェア動向とその対策についてご紹介します。