基本のキ。セキュリティ入門(第9回)ネットワーク管理とは?ツール選びのポイント

データ通信 ネットワークセキュリティ

公開日:2021.01.05

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 ICT(情報通信技術)の発達により、ネットワークを流れるデータは多種多様で複雑化しています。そのため、ネットワークに関するトラブルが発生した際、その原因を特定するのが難しく、トラブル時の迅速な対応も難しくなってきています。

 このような複雑化したネットワークの状態を監視できる、ネットワーク管理ツールをご存じでしょうか。

 ネットワーク管理ツールを利用すると、トラブル発生時の迅速な対応ができるようになるだけでなく、企業としての信頼性も向上します。

 今回は、ネットワーク管理の概要から、管理ツールを利用するメリット・デメリット、ネットワーク管理を選ぶ際のポイントを紹介します。

ネットワーク管理とは?

 ネットワーク管理とは、読んで字のごとく「ネットワークの状態を管理すること」で、ネットワークの性能が低下していないか、障害が発生していないかなどを、総合的かつ定期的に監視するものです。

 社内で利用するネットワークは、実に高度な処理を行っています。そのため、「社内ネットワークにつながらない」「ネットワーク速度が遅い」といったトラブルにおいてもさまざまな要因があり、簡単に解決できるものではありません。

 また、ネットワークの状態は目に見えるものではありません。知らないうちに障害が発生していたり、性能が低下していたりするものです。そんなときに、ネットワークの状態を総合的かつ定期的に監視していれば、トラブルが発生した際に迅速に対応できます。

 ネットワーク管理ツールは、定期的にネットワークの状態を監視し、トラブル発生時には管理者にメールなどで通知する機能を有します。ネットワークの規模が大きくなるほどネットワーク管理ツールの存在は重要になります。従業員が快適に業務を行うためのネットワーク環境を保護してくれるツールといえるでしょう。

ツールを導入するネットワーク管理のメリット・デメリット

 ネットワーク管理ツールを導入する際には、メリットと併せてデメリットも把握する必要があります。ここでは、ネットワーク管理ツールを導入するメリットとデメリットについて見ていきましょう。

<メリット>
 ネットワーク管理ツールを導入するメリットとしては、大きく次の3つが考えられます。

・企業としての信頼性向上
・ネットワーク管理における人件費の削減
・監視工数の削減

 近年では企業が自社のWebサイトを持つのが当たり前になっています。企業が提供するサービスや商品が気になるユーザーは、企業のWebサイトを確認することも多いでしょう。その際にWebサイトが表示されなかったり、Webサイトが改ざんされたりしていると、訪問したユーザーは企業に対して不信感を抱く可能性もあります。

 ネットワーク管理ツールを導入することで、これらの異常を素早く検知できるようになります。結果としてネットワークに関するトラブルを未然に防ぎ、万が一の際にも迅速な対応が可能になるため、企業の信頼性の獲得・向上にもつながります。

 また、ネットワークは24時間365日稼働し続けなければならないものであり、ネットワーク管理には専門的な知識とスキルを持った人材も必要になります。ネットワーク管理において監視工数や人件費は無視できないコストですが、ネットワーク管理ツールを導入することで、これらのコストの削減が期待できます。

<デメリット>
 ネットワーク管理ツールを導入するデメリットは、次の3つが考えられます。

・監視範囲によってはコストがかかる
・監視範囲が限られる場合がある
・管理ツールのデータを読み込む訓練が必要な場合もある

 ネットワーク管理ツールによって監視できるネットワークの範囲は、ツールごとに異なります。社内ネットワークだけでなく、拠点間の社外ネットワークも監視する場合には、対応できるか事前に確認しなければなりません。

 加えて、監視範囲が広がるほどコストがかかる傾向にあります。拠点間などの社外ネットワークを監視するには別途ライセンス利用料金が必要になるなど、監視範囲によってはコストがかかる点にも注意しなければいけません。

 ネットワーク管理ツールは、ネットワークの監視状況をレポートとして出力したり、別システムとの連動のためにデータをアウトプットしたりできますが、こちらもツールによって内容の専門性は異なります。専門性が高過ぎると、レポートやデータを読み取る訓練が必要になる可能性があり、その点もデメリットとして考えられます。

ネットワーク管理ツールを選ぶ際のポイント

 最後に、ネットワーク管理ツールを選定する際にチェックしておきたいポイントについて解説します。

<監視範囲>
 ネットワーク管理ツールごとに監視できる範囲は異なります。ネットワーク管理ツールを選定する際には、自社にとってどこまで監視できるツールが必要なのかを確認しましょう。ツールによって、ネットワーク上のデータの監視だけでなく、サーバーやアプリケーションの監視まで行えるものもあります。

<監視レベル>
 監視可能な範囲のチェックと併せて、監視できるレベルも確認しなければなりません。例えば、社内ネットワークだけでなく拠点間のネットワークも監視できるか、ネットワークにトラブルが発生した際に機器を再起動するといった自動処理が行えるかも確認しましょう。

<専門知識の必要性の有無>
 ネットワーク管理ツールは高機能なため、専門的な知識がある程度必要です。求められる専門性はツールごとに異なり、担当者にとって扱いやすいネットワーク管理ツールを選定することで、人件費の削減にもつなげられます。

 ネットワーク管理ツールを選定する際には、どのくらいの専門的な知識を要するかをチェックするのもポイントです。併せてサポート体制についても確認しておくとよいでしょう。

<拡張性の高さ>
 ネットワークは、企業規模の拡大や組織変更の際に構成を変更するケースもあります。加えて、他社にはない自社独自のネットワーク構成が必要となることも考えられます。そのため、自社のネットワークにカスタマイズできる拡張性の高さも、ネットワーク管理ツールを選定する際のポイントの1つとしてチェックしましょう。

社内ネットワークのお困りには!NTT西日本の「フレッツ・SDx」

 ネットワーク管理は、ネットワークの性能低下や障害発生を総合的かつ定期的に監視するものであり、それを容易にするものがネットワーク管理ツールです。

 ネットワーク管理ツールを導入することで、ネットワーク管理における人件費や監視工数の削減が期待できるだけでなく、企業としての信頼性も向上します。

 一方で、ネットワーク管理ツールごとに監視範囲やアウトプット情報の専門性は異なり、監視範囲が広がるほどコストがかかるため、自社のネットワークに合わせた管理ツールの選定が重要です。

 ネットワーク管理ツールを必要とする方は、以下のような悩みをお持ちではないでしょうか。

・拠点間の通信を遅延することなく、スムーズに実現したい
OSアップデート時期は通信が遅くなり、業務に支障が出る
・人材不足の影響で拠点の通信ネットワークの管理、設定まで手が回らない

 NTT西日本では、低遅延・高セキュリティなVPN(Virtual Private Network ・仮想専用線)通信を実現する「フレッツ・SDx」を提供しています。フレッツ・SDxはインターネットを介さない閉域網のIP-VPNであるため高セキュリティであり、フレッツ 光ネクストを利用した高速通信で映像データなどの大容量データも、低遅延でリアルタイムに通信可能です。

 また、コントローラーを通じて各拠点の機器を遠隔・自動設定も可能。事務所にいなくてもネットワークの一括管理が行えます。社内ネットワーク管理にお困りの方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

【M】

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