IT化スモールスタート解説(第6回)キャッシュレス・消費者還元事業の加盟店になる方法

法・制度対応 キャッシュレス

2020.03.27

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 2016年時点で、韓国は96.4%、イギリスは68.6%、中国でも約65.8%と、高い水準でキャッシュレス化が進んでいます。このように世界的にキャッシュレスが普及している中、日本でもQRコード決済が登場し、キャッシュレスが普及し始めています(出典:キャッシュレスの現状および意義)。

 このようにキャッシュレス化が注目され、2019年10月の消費税増税と併せて、キャッシュレス・消費者還元事業の導入支援が行われているのをご存じでしょうか。

 今回は、キャッシュレス・消費者還元事業の概要と併せて、加盟店となる利点や方法を解説します。

キャッシュレス・消費者還元事業とは

 キャッシュレス・消費者還元事業とは、2019年10月の消費税増税に伴い、消費者の利便性向上のため、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する事業です。

 この事業の目的は、中小・小規模事業者における消費喚起の後押しとともに、事業者・消費者の双方におけるキャッシュレス化を推進することにあります。

 対象期間は、2019年10月1日から2020年6月30日までの9カ月間であり、次の決済手段が対象です。

・クレジットカード
・デビットカード
電子マネー
・QRコードなど電子的に繰り返し利用できる決済手段

 消費者側へのポイント還元方法やタイミングは、決済手段ごとに異なり、還元率は2~5%となっています。事業者側ではキャッシュレスシステムを導入する支援を受けられ、決済手数料や端末の導入費用が補助がされます。

キャッシュレス・消費者還元事業の加盟店になる利点

 キャッシュレス・消費者還元事業の加盟店となることで、次の4つのメリットが得られます。

<1.キャッシュレス端末の導入コストが無料>
 キャッシュレス決済には、クレジットカード決済やQRコード決済などがありますが、決済を行うために専用の機器を用意しなければなりません。しかし、加盟店となることで、端末本体や設置費用が無料となります。

<2.決済手数料が3.25%以下>
 キャッシュレス決済では決済ごとに手数料がかかりますが、加盟店手数料は3.25%以下となり、2020年6月末までは決済手数料の1/3を国が補助します。ランニングコストの削減が可能です。

<3.消費者還元事業によって集客を見込める>
 キャッシュレス・消費者還元事業により、加盟店で消費者が買い物をすると、より多くのポイントを受け取れます。そのため、ポイント還元が目的の人を、呼び込む効果が期待できます。

<4.レジ周辺作業の効率化>
 キャッシュレス化によって、現金の取り扱いコストを省けます。現金を扱わないため、受け取る金額を間違えたり、お釣りを間違えたりといった人的ミスも防ぐことが可能です。また、完全キャッシュレス化が実現すれば、面倒なレジ締め対応も不要になります。

キャッシュレス・消費者還元事業に登録する方法

 キャッシュレス・消費者還元事業の加盟店申請は、2020年4月末まで受け付けています。申請から還元開始までは、およそ1カ月かかります。

 登録する方法は、次の3ステップとなります。

<1:自分の店舗が対象か確認>
 キャッシュレス・消費者還元事業は、中小・小規模店舗が対象であり、主な条件は次の表の通りです。

 引用:経済産業省:キャッシュレス・ポイント還元事業中小・小規模店舗向け説明資料

 電話で問い合わせや相談もできます。

<2:決済事業者を選択・契約>
 次のステップとして、決済事業者の選択・契約があります。キャッシュレス決済といっても多様なサービスがあり、決済事業者ごとに手数料や入金タイミングが異なります。店舗で利用したい決済方法を取り扱う決済事業者から選びましょう。

<3:決済事業者経由で参加申し込み>
 決済事業者を選択・契約したら、決済事業者経由で加盟店登録の申請を行います。複数の決済事業者と契約する場合は、それぞれの決済事業者経由で申請が必要となるため注意しましょう。

 加盟店登録が完了したら、ポスターやステッカーなどの店頭用広報キットが届くため、消費者が視認できる場所に掲示して完了です。

 さらに詳しく知りたい方は、経済産業省のこちらの資料を参照ください。

キャッシュレスシステム導入までの流れ

 キャッシュレス・消費者還元事業の加盟店登録や決済事業者との契約だけでは、キャッシュレス化とはなりません。キャッシュレスシステムを導入する必要があります。

 ここでは、NTTの西日本の「フレッツ・スマートペイ QRコード決済プラン」を利用した場合の、キャッシュレスシステム導入までの流れを解説します。

<準備するもの>
 フレッツ・スマートペイ QRコード決済プランでキャッシュレスシステムを導入する場合、次に挙げるものが必要です。

インターネットサービス
Wi-Fi
・スマホ・タブレット端末
・専用アプリ
・カードリーダー(クレジットカード決済プランを利用する場合)

 フレッツ光などのインターネットサービスが必要となります。通信でQRコード決済を可能にするため、Wi-Fi環境も用意してください。また、QRコードを読み取る端末として、スマホやタブレットが必要となります。ただし、スマホやタブレットは所有の端末利用が可能です。

 専用アプリは、フレッツ・スマートペイ QRコード決済プランに契約すれば、提供されます。そのアプリをお持ちの端末にインストールすれば、QRコード決済が利用できます。

 なお、クレジットカード決済プランに申し込みの方には、カードリーダーも送付されます。

<導入までの流れ>
 フレッツ・スマートペイ QRコード決済プランの導入手順は簡単です。次の4ステップで完了します。

1.申し込み
2.審査
3.再販ツール等の送付
4.利用開始

 申し込みの後、クレジットカード会社やQR決済ブランド所定の審査基準に基づき審査を行います。審査を通過すると、利用開始の2~3営業日前に開通案内書や各種ステッカーなどが送付されます。

 専用アプリを端末にインストールいただき、利用開始となります。

 アプリのアカウントやパスワードは設定いただいたメールアドレス宛てに送付するため、大切に保管してください。

 フレッツ・スマートペイ QRコード決済プランについて、詳しく知りたい方はこちらを参照ください。

キャッシュレス・消費者還元事業の加盟店登録をしよう

 韓国や中国を始め、世界規模でキャッシュレス化が進んでいます。日本でもキャッシュレス化が進み、今後も需要は高まるでしょう。2020年6月末までは、キャッシュレス・消費者還元事業によってキャッシュレス化の支援が行われます。これを機会に導入してみてはいかがでしょうか。

 キャッシュレス決済の導入に際して、「還元事業を利用する消費者を獲得したい」「各決済事業者への申し込みを効率的に実施したい」と考える方は多いと思います。

 NTT西日本が提供する「フレッツ・スマートペイ QRコード決済プラン」では、PayPayやLINE Payなどの決済事業者への申し込みを一括で行え、キャッシュレス・消費者還元事業に対応しています。

 QRコード決済だけでなく、クレジットカード決済にも対応したマルチペイメント対応サービスです。フレッツ光などをご利用中の店舗で、キャッシュレス決済の導入を検討している場合は、気軽にお問い合わせください。

監修=加治 直樹
銀行に20年以上勤務ののち、1級ファイナンシャル・プランニング技能士および特定社会保険労務士を取得し、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。

※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

あわせて読みたい記事

「法・制度対応」人気記事ランキング

AIによるおすすめ記事

他の方はこんな記事も見ています

連載バックナンバー

オンラインセミナー動画

配信日時

2022年6月24日(金)13時30分-15時00分(予定)

業務効率化関連

日本企業におけるDXの活用、推進による課題解決について

これからの経営の重要なキーワードとなっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。
デジタル技術の急速な発展・SDGs等の社会環境変化や市場の競争環境変化により、企業はデジタルを活用した事業や業務の変革が迫られています。
本セミナーでは、「DX」の概念の理解に加え、事例等を通じ、具体的イメージをご紹介しながらDX推進のためのポイントをお伝えすると共に、すぐにできるDXをご紹介します。
ぜひこの機会にご参加ください。

配信期間

2022年6月3日(土)~2023年3月31日(金)

業務効率化関連

企業のDX化と「攻め」のオペレーションへの転換

DXという言葉はすっかりバズワードとなり、今やすべての企業にとってデジタル化は必須となっています。
しかし、DXの捉え方は会社によってさまざまで、「とりあえずデジタル」のような取り組みをDXと位置付けているケースもございます。
本セミナーでは、まず第一部で企業におけるDXの定義とDX活動を着実に前進させるポイントについてご説明し、第二部ではDX活動の第一歩として「おまかせAI-OCR」を活用したオペレーション改革について、具体例を交えながらご紹介します。