“新常態”に対応せよ(第6回)

目の前にいない社員、苦労するマネジメント

2021.09.08

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 働き方の多様化が加速している。「毎朝オフィスに出社して勤務する」大原則は崩れ、在宅・外出先での勤務が一般化しつつある。また、業態によっては多拠点化が進み、社員が分散している働き方もある。

 しかし、一方で「近くにいない社員をどうマネジメントするのか?」というマネジメント上の課題が浮き彫りになりつつある。パソコンでの業務が増加する中、在宅や拠点にいる社員の業務がますます見えなくなっている。新常態におけるマネジメントの勘所を考えてみよう。

生産性向上も、各人の業務把握が困難に

 オフィス以外での勤務の影響については、さまざまな意見が出されている。よく聞くのは「通勤の負担が減って効率が上がった」「家族と過ごす時間が増えた」といったポジティブなイメージのもの。一方で「チームで行う業務の進捗状況が分かりにくい」「誰がどんな仕事をしているか把握できず、管理しづらい」などの声が上がっているのも事実だ。

 文書の作成や整理など、一人でじっくり取り組む仕事にテレワークが適しているのは明らかだ。周囲の話し声や電話応対の声にストレスを感じていたオフィスワーカーにとっては、まさに理想的な環境だと言えるだろう。

 ただし、大規模プロジェクトなど複数社員が共同で進める業務となると状況は一変する。これまで頻繁に対面ミーティングを行い、進捗状況を報告・確認してきたような場合、それぞれが自宅で自分の仕事をこなす環境では、「誰が何をしているか分からない」「コミュニケーション、情報共有が不十分」という形で新たなストレスを抱える。日本企業では全体的に「仕事は部署のメンバーが協力して進めるもの」という意識が強く、諸外国に比べて個人の裁量をあまり重視しない傾向がある。

 また、企業によっては多拠点化が進む。成長のために拠点増加が必須の業種の企業や、働き方改革を進めたい企業が拠点を増やしている。

 「管理職」が一人ひとりの社員をきめ細かく管理し、状況に応じて必要なサポートを行う体制だと、かえって企業の成長を阻害しかねない。目の前に社員がいない現在の状況は多くの管理職にとって悩みの種であり、どうすれば各自の仕事ぶりを把握できるかが大きなテーマになっている。

テレワーク中の部下の業務が把握できないだけでなく、そもそも個業化が進み、部下の業務がブラックボックスになっている

 

ワークライフバランスを保つ努力も必要… 続きを読む

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執筆=林 達哉

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