MIT×デロイトに学ぶ DX経営戦略(第13回)コラボレーションの極意

経営全般 デジタル化

2022.07.11

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理想のコラボレーションとは?

 人の肩をよじ登って誰かの肩の上に立ち、また別の人がその人の肩をよじ登って肩の上に立つ。これを繰り返して、10階建ての建物の高さに相当する人間の塔を作るというチーム競技を、あなたと同僚たちが命じられたと想像してもらいたい。優勝チームは、この多層式の人間の塔を一番早く完成させて、一番早く解体させたチームだ。

 もしスペインのカタルーニャに行ったことがあるなら、これと同じ競技を見たことがあるかもしれない。「層を積み重ねて高くなる、赤い半裸の震える塔は、背中の広い男たちが土台になって重みの下で汗をかき震えており、最後に、小さな女の子がするするとてっぺんまでよじ登り、勝利で腕を突き上げる。身がすくむような光景だが、怖いもの知らずの参加者たち(castellers/カスタリェース)は大きな誇りを抱いている。この人間の塔(castell/カステイ)作りは、カタルーニャ文化の中核をなすからだ」

 人間の塔(カステイはカタルーニャ語で「城」を意味する)を作るカタルーニャの伝統は、18世紀にまで遡る。カスタリェースのモットーは、「フォルサ、アキリブリ、バロー、セニ」すなわち「力、バランス、勇気、良識」である。テクノロジーに破壊された世界において、カタルーニャのカステイの伝統とそのモットーは、デジタルに成熟している組織に求められる、コラボレーターとコラボレーションの完璧な例えと言えるかもしれない。

コラボレーションの必要性を推進するものは何か?

 企業におけるコラボレーションの取り組みの推進力として挙げられた回答は、興味深い。拡大するコラボレーションの背後にある主な推進力は、仕事の性質だと私たちは思ったのだが、回答者は仕事の性質と、コラボレーションに使える新しいツールとテクノロジーの両方を挙げたのだ。言い換えるなら、人々がそれまでとは違う新しいやり方でコラボレーションするのは、仕事がコラボレーションを求めるから、並びに効率的にコラボレーションできるツールが今あるから、ということになる。

 成熟段階の企業は、こうした考えを具体的に実行に移し、さらに進んだコラボレーションツールを導入する可能性が高い(主に電子メールに頼るのとは対照的だ)。デジタルに成熟している企業の70パーセント以上が、高度なコラボレーションツールを使って仕事をしている、または使って仕事をし始めていると答えたのに対し、同じ回答をしたのは、初期段階の企業では40パーセント未満しかいなかった。

 デジタル時代の仕事の性質は、部門の枠を超えて、さらにアジャイルになり、さらに反復して仕事をするよう組織に求める。これに対応するには、当然、さらなるコラボレーションが必要になる。有効に利用すれば、デジタルプラットフォームはコラボレーションを可能にするだけではなく、人々がコラボレーションし関わり合う方法を変える。

 さらに高度なプラットフォームによるコラボレーションの潜在的利益を考慮すると、組織がこうしたツールを内部コミュニケーションとして導入するのにどれほどのんびり構えていることか、組織の対応の遅さにはいささか驚かされる。

 デジタルのコラボレーションツールは、グループの幅広いコミュニケーションをさらに効率よく効果的に行うために有用である。例えば企業の場合なら、プラットフォームは、優れた意図的なコラボレーションを支える二つの主要な機能を提供する――ネットワークの管理とコンテンツの共有である。

プラットフォームの透明性と永続性…

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訳者=庭田 よう子

翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。おもな訳書に『目に見えない傷』(みすず書房)、『ウェルス・マネジャー 富裕層の金庫番』(みすず書房)など。

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