外国人の活用で人手不足に克つ(第6回)入管法改正で宿泊施設も即戦力外国人を受け入れ

人手不足対策 法・制度対応 人材活用

2022.01.14

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 日本人スタッフへの外国語教育、多言語コールセンターの活用など、宿泊施設の外国人観光客対応強化にはさまざまな手段があります。しかし、それにも限界がありますからやはり外国人労働者の活用を考えなければ、日本の宿泊施設業界の発展は望めません。従来の在留資格の範囲では外国人の雇用は難しい面がありましたが、2019年の入管法改正で即戦力雇用の道が開けました。コロナ後を考えて、外国人労働者の受け入れを考えましょう。

 前回、宿泊施設における外国人スタッフ雇用の有効性を紹介しました。もちろん、日本人スタッフの外国語教育に力を入れている宿泊施設もあり、それも一つのやり方です。ただ、外国人旅行者は、その時代により、さまざまなところからやってくるため、外国語といっても英語や中国語だけではなく、韓国語、タイ語、ベトナム語などさまざまな教育が必要になります。

 また、自治体などが宿泊施設向けの多言語コールセンターのサービスを提供中です。その導入事例を観光庁が紹介しています。これは、外国人から電話で問い合わせがあった場合に、代わりにコールセンターの通訳スタッフが答えたり、逆に、外国人に電話をする際に、通訳して伝えたりという機能があります。電話料金はかかりますが、サービスの利用は無料というケースが多いようです。

 ただし、多言語コールセンターを活用しても、どこかで限界はありそうです。例えば、ホテルのフロントで外国人の宿泊客から「今から友人が私を訪ねて来るんだけど、そのまま部屋に入れますか?」などと話しかけられて、その言葉を聞き取れないときに即座に助け舟を出してもらうといった、ホテル内部でのこまごまとした日常的な業務の通訳までは通常、想定されていないようです。

 もちろん、コールセンターの機能もどんどん拡張していく可能性はあります。人工知能(AI)を活用した翻訳機なども、どんどん進化を遂げてはいます。とはいえ残念ながら、現時点では、即時にどのような言葉・表現も逐一通訳できる機械・ソフト(アプリ)はありません。

 加えて、先ほどのアンケートで、コミュニケーションの問題も出ていました。「多言語表示の少なさ・分かりにくさ」も23.6%と、やはり高い割合で外国人旅行者が困っています。ですが、やみくもにあれもこれも「多言語表示」にすればいいというものでもありません。

 女性トイレは赤いスカートをはいた人のマークを張っておけば分かりそうな気がします。ただ、外国人がこれは分からないだろうから、表示を出しておいた方がいいというところには、多言語表示を出した方がいいと思います。「外国人がこれは分からないだろうから、表示を出しておいた方がいい場所」は、どこでしょうか?そもそも、「女性トイレは赤いスカートをはいた人のマークを張っておけば分かる」というのは、本当に確かでしょうか?それは、その国の文化などに関する知識がないと、分かりません。

 アメリカやシンガポールなどは、旅行で行ったときに、そのような表示を見つけたことがあるので、たぶん、トイレの表示はそれでよい気がしますが、タイやベトナムがどうなっているかは、分かりません。タイ人やベトナム人の従業員がいれば分かるのになあ、と思いませんか?

宿泊施設での外国人雇用の注意点…

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執筆=小澤 和彦

弁護士法人 後藤東京多摩本川越法律事務所 弁護士。第二東京弁護士会の西東京市男女共同参画推進委員会委員長。業務分野は企業法務、知的財産など。主な著作として「相続戦争を勝ち抜く85のルール―相続財産の分配で、モメそうなときに読む本」(九天社)など。

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