専門家が伝授する経営突破ナビゲーション(第5回)個人飲食店オーナー必見!失敗しないメニュー作りと売上が変わるメニュー表の作り方

顧客満足度向上

2022.03.02

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 「新しくオープンするカフェで売れ続けるメニューを作りたい」「オープン当初のメニューでは売上がのびない」など飲食店のメニューは店の売上を左右する重要な要因のひとつです。そこで今回は、飲食店コンサルティング会社で働く齊藤康平さんにお話を伺いました。個人店を経営し、メニューで悩んでいる方に向けて、基本的なメニューの作り方から成果を出すためにできること、売上が変わるメニュー表の作り方まで教えていただきます。

メニューの作り方における具体的な流れについてお伺いします。

 メニュー作りは、企画と開発の2ステップに分けて考えるようにしてください。段階を踏まずに作ってしまうと、ターゲットのニーズやお店のコンセプトから外れてしまうことがあります。どれだけ料理の腕前が良くても、的外れなメニューはターゲットに響かず、リピート客はつきません。

 第一に、企画です。企画は自分たちが作りたいものを噛み砕いていく作業です。まずは、作りたいメニューとお店のコンセプトにズレがないか、考えたメニューがターゲットのニーズに合っているかを考えます。たとえば「オフィス街で・健康を気にするサラリーマンに・食べ応えはあるけどヘルシーなメニューを提供」が、お店のコンセプトだとしましょう。しかしコンセプトに沿わず、自分の出したいメニューや流行っているメニューを作ってしまうと、その後の開発やメニュー表の作成に大きく影響します。加えて、自分たちの強みと社会的ニーズにどんな接点があるかを考えることができればなおよいでしょう。

 第二に、メニュー開発です。企画に沿ったメニューが実現できるかを考える作業です。「原価はどれくらいか?」「継続的に仕入れができるものか?」「食材ロスは出ないか?」など必要・不要を考え、実際にレシピを作っていきます。具体的に形にしていくことで、企画段階では見えなかったことも見えるようになります。

 たとえば、揚げないヘルシーなトンカツ定食を作るとしましょう。企画の段階では、少量の油を使いフライパンで焼くというレシピでしたが、実際に作ってみると「思ったよりヘルシー感が伝わらない」となる事例です。そこで、油は一切使わずにオーブンレンジで焼き上げるというレシピに変えて、よりヘルシー感を出すことにしました。このように、実際に作ってみて試行錯誤し、コンセプトから外れないよう他店との差別化をはかってください。

メニューの原価・原価率はどのような基準で決めればよいでしょうか?

 少し前まで一般的な原価率は30%前後でしたが、コロナの影響もありFLRのバランスに変化が出てきています。FLRとは「food:材料費」「labor:人件費」「rent:家賃」であり、飲食店経営にかかる3大コストです。以前は、売上に対してそれぞれfoodとlaborが30%、rentが10%という値が理想とされていました。

 しかし、いまではビジネスモデルによってFLRの割合を変える店が増えています。たとえば、競合店と差別化するために原価を上げる、IT技術を導入し接客スタッフの業務負担を減らすことで人件費を下げるなど店の目標ごとにFLRのバランスを変えます。このように、何にコストをかけ、そのためには何が必要かをよく考えて決めなければなりません。

メニュー数はどのように決めればよいでしょうか?

 なるべくメニュー数を絞って、代わりに週替わりやおすすめメニューを定期的に入れ替えるとよいでしょう。一般的に、客幅が広い大箱チェーン店は、さまざまなターゲットに合うようにメニューをたくさん準備します。

 しかし、個人店でそんな当たり前の店を作っても反応されません。また、昔は「席数=メニュー数」でしたが、いまは違うと考えている飲食店が増えています。最近の傾向として、店の規模を小さくして専門店化する店が多いですね。そのため、メニュー数も30〜50が一般的です。

定番メニューや看板メニューはどのように決めればよいでしょうか?

 どちらのメニューにも共通することは、店のコンセプトに合わせることです。これを前提としたうえで、看板メニューは「店の思い」に合わせ、定番メニューは「お客さまの思い」に合わせて作ることを意識してください。

 まずは、看板メニューです。「わたしたちの店は◯◯を大事にしているお店です!」のように、自分の店を語れるくらいの商品を作ります。たとえば、出汁にこだわった鍋屋では、お客さまから見える場所でかつお節を削り、削りたてのかつお節を鍋に入れるというパフォーマンスをしています。これは、出汁へのこだわりをお客さまに感じてもらうための演出です。このように、多少オペレーションに負担がかかったとしても、ターゲットに「これが看板メニューだ」と意識づけることが大切です。

 つぎに、定番メニューです。看板メニューを軸に「ほかにどんなものを食べたいか?飲みたいか?」を考えて作ります。たとえば、看板メニューがステーキなどガッツリ系のメニューだったとしましょう。他のメニューは「あっさり系でスープやサラダがいいのか?」や「一人で来るのか?カップルで来るのか?大人数で来るのか?」などを想定しながら、メインターゲットに合わせて定番メニューを決めていきます。

限定メニューや期間限定メニューについてもお伺いします。

 限定メニューは1ヵ月程度で変える個人店が多数ですね。もちろん、数量限定・地域限定・期間限定にもよりますが、基本的には「限定品」です。リピーターを飽きさせないためにも長くても3ヵ月に一度は変えた方がよいでしょう。

 また客数にもよりますが、チェーン店より個人店の方がメニュー変更に自由がきくので、短いスパンでメニューチェンジができます。また、限定品のみならずメニューを話題性のあるものにするとよりお店の宣伝にもなりますね。

話題性を呼ぶメニューに必要なものとは何でしょうか?…

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執筆= NTT西日本

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