知って得する!話題のトレンドワード(第13回)ポイント解説!スッキリわかる「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」

業務課題 経営全般

公開日:2024.04.23

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 いま話題のトレンドワードをご紹介する本企画。第13回のテーマはスッキリわかる「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」です。言葉の意味、そしてその背景や関連する出来事を解説していきます。みなさまのご理解の一助となれば幸いです。

 

 厚生労働省によると「ダイバーシティ&インクルージョン」(以下「D&I」と略)とは「年齢や性別、国籍、学歴、特性、趣味嗜好、宗教などにとらわれない多種多様な人材が、お互いに認め合い、自らの能力を最大限発揮し活躍できること」とあります。ダイバーシティ(diversity)とは、形や性質がさまざまであるという意味で、日本語では「多様性」と訳されます。

 インクルージョン(inclusion)とは、「包括」「包含」「包摂」という意味で、ビジネスにおいては、企業内すべての人が尊重され能力を十分に発揮できる状態をいいます。少子高齢化、ビジネスのグローバル化、産業構造の変化(DX化など)などにより優秀な人材が不足しがちな昨今、女性、高齢者、LGBT、外国人、障がい者、子育てや介護中の人など、あらゆる人材を組織に迎え入れる「ダイバーシティ」が求められ、その上で、あらゆる人材が能力を最大限発揮でき、やりがいを感じられるように整える「インクルージョン」が求められます。

 D&Iは、企業の能力や活力の向上に重要かつ効果的という考えが、世界の常識となっています。企業や人々、日本の将来のためにみんなでD&Iを推し進めていきましょう。

関連する出来事などの背景

 アメリカは、1860年代の奴隷解放宣言により奴隷制度が廃止され、1830年代からの女性解放運動により女性が参政権を勝ち取るなど、個性を尊重し差別を撤廃するという考えが根付いています。ヨーロッパでも、地続きの国々にさまざまな民族が生活しており、多様な人々を受け入れてきた歴史があります。

 また、アメリカでは「女性人材の確保・活用」と「人種の平等」などの観点から1960年代、公民権法や雇用機会均等委員会が整備され、雇用差別を受けた人が訴えを起こせる制度が整いました。1980年代以降には「ダイバーシティ」が企業発展に効果があると認識され始め、大手企業を中心に、競争力を高める人事戦略として多様な人材を組織内で受け入れ包括する「D&I」が広がりました。

 その一歩でもある、男女平等の考え方に関しては、1995年の第4回世界女性会議における「北京宣言及び行動綱領実施のための更なる行動とイニシアティブ」を契機に、各国で男女の格差を縮めるための省庁設置や政策に盛り込むなどの「ジェンダー主流化」が盛んになりました。その後、主に欧米諸国において、D&Iの対象の拡大やレベルの深化が進み、より大きな概念としてとらえられるようになりました。

 日本においては1985年「男女雇用機会均等法」をきっかけとして、1999年の「男女共同参画社会基本法」が成り立ち、男女の平等が義務化されました。そして2012年、経済産業省は「ダイバーシティ」を方針の1つに掲げ、2017年には男女平等以外に国際人材などさまざまな多様性を受け入れる「ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン」を策定しました。ダイバーシティ1.0から2.0への経過については、経済産業省「ダイバーシティ1.0の限界(METI Journal ONLINE)」がわかりやすいでしょう。以下、あくまで一例ですが、日本において今後さらに注目され得る多様性やその課題点を項目として挙げてみました。

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執筆=青木 恵美

長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。

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