急務!法対応(第13回)
自動車の「OBD検査」が10月からスタート。準備は万全?
公開日:2019.12.25
業務に紙の書類は付きものだ。商品の注文書や納品書、請求書から、顧客や住民からの申込書まで、物理的な書類は多種多様で簡単にはなくならない。書類に頼らず完全にデジタル化できる仕組みを整えられればスッキリ問題解決なのだが、なかなかそうはいかない。
ファクスで注文書を送ってくる取引先に、これからはパソコンやスマホで注文情報を入力してほしいとは言いにくい。店頭で住所氏名の登録を求めるときも、デジタルツールに慣れないシニア層のことを考えると、書類への手書きの記入はなくせない。これから当分の間、書類と格闘せざるを得ないだろう。
管理も大変だ。場所を取るのはもちろん、安全に管理するための体制も整えなければならない。そして、いざ必要になったときに情報を探し出す手間といったら、大変なこと。これは完全デジタル化されたオフィスでなければ、誰もが共感することだろう。
業務で必要な情報をすべてデジタル化するのは現実的でないとしても、情報の保管や活用を紙からデジタルに置き変えることはできる。書類の情報をデジタル化すれば、ビジネス変革を実現するデジタルトランスフォーメーション(DX)の第一歩にもなり得る。
まずは紙の書類の束をどうするかを考えよう。蓄積された書類を、必要とする業務に応じてICTを活用したシステムをつくり、そこにデジタル化したデータとして入力、登録できればそれに越したことはない。しかし、一足飛びにシステム化するのは時間もコストもかかる。なにより、紙に記載された文字を手入力する手間は無視できない。すでにシステム化されている業務で、毎日のように長時間かけて書類の文字を読み、キーボードで打ち込んでいる担当者がいるケースでは、単純作業の繰り返しという労働実態も認識されているだろう。
紙の書類は、まずはスキャンしてデジタルデータに変換しておくのが重要だ。これだけでも、保管の場所の問題や、書類を探し出す手間が省ける。スキャンしたファイルの日付で書類を探せるようになるだけでも、紙の書類を束ねたファイルを引っ張り出して、紙をめくりながら目的の書類を探すことを思えば圧倒的に効率が高い。
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執筆=岩元 直久
【MT】
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