ニューノーマル処方箋(第32回)極地でも高速通信「スターリンク」の可能性

業務課題 データ通信 災害への備え

公開日:2024.01.26

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<目次>

・衛星インターネットは、極地でも使えるものの遅い

・「スターリンク」で、空からブロードバンドが届く

・日本でもスターリンクを活用したサービスが登場

衛星インターネットは、極地でも使えるものの遅い

 インターネット通信は、基本的には通信ケーブルが敷設されている場所や、無線電波を発する基地局の周辺以外では利用できません。しかし、「衛星」を使ったインターネット通信(以下、衛星インターネット)であれば、例えば海上や山間部、住民が少ない離島のような極地であっても、通信を行うことが可能です。

 衛星インターネットは、地上に設置された無線基地局(地球局)と、宇宙空間に浮かぶ人工衛星の間、さらに人工衛星と地上の端末(アンテナ)との間で通信を行うことで、ケーブルがない場所でのインターネット通信を可能にします。

 衛星インターネットにはこのようなメリットがある一方で、通信速度が遅いというデメリットも存在します。地上から遠く離れた宇宙空間の人工衛星と通信を行うため、どうしてもデータのやり取りに時間がかかってしまうのです。

 とはいえ「衛星インターネットは遅い」というのは、過去の話となりつつあります。なぜなら、高速で大容量の通信を可能とする、ブロードバンドの衛星インターネットサービスが誕生しているからです。

「スターリンク」で、空からブロードバンドが届く

 ブロードバンドの衛星インターネットサービスの代表的な存在が「Starlink(以下、スターリンク)」です。

 このスターリンクを運営するのは、アメリカの著名な実業家であるイーロン・マスク氏が設立した「スペースX(正式名称:Space Exploration Technologies Corp.)」社です。同社は宇宙空間に衛星を4000機以上も投入しており、地上のユーザーが所有する無線通信端末と各国の地球局をその衛星が無線通信で結ぶことで、ケーブルがない地域でのインターネット通信を可能にしています。

 なぜスターリンクは衛星インターネットにもかかわらず、高速通信が可能なのでしょうか?その背景には、スターリンクの衛星が「低軌道周回衛星」であることが挙げられます。

 従来の衛星インターネットでは、地球から数万kmも離れた場所にある、数機~数十機の衛星を利用して通信を行っていました。しかしスターリンクは、同社が打ち上げた、地球から約550kmの高さにある4000機以上もの低軌道衛星を利用します。地球により近く、しかも宇宙空間に多数ちりばめられた衛星を利用するため、これまで以上の高速通信が可能になりました。

 スターリンクの伝送速度の目安は、同社のホームページでマップ形式にて公開されています。2023年11月末時点では、日本全域において下り(ダウンロード)は「159~243Mbps」、上り(アップロード)は「17~33Mbps」となっています。

 これらの伝送速度は光回線と比べると劣るものの、メールやチャット、Webサイトの閲覧やWeb会議などを行うには問題ない数値です。そのため、バックアップ回線や遠隔地における回線として、ビジネスシーンでも十分に利用できるでしょう。

 なお、スターリンクは通信の遅延の低さも特徴としており、同社ホームページでは「39~57ms」と、100msを切る数値となっています(2023年11月末時点の日本における数値)。

日本でもスターリンクを活用したサービスが登場…

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