第2回で紹介した血中の中性脂肪値が高くなる「脂質異常症」と同様に、自覚がないまま危険な病気を引き起こす原因となる症状に「高血圧」があります。血圧とは、心臓から全身へ血液を循環させる圧力のことです。血圧が高過ぎると動脈硬化が進み、脳梗塞や心臓病などのリスクが高まると、国立循環器病研究センターでは注意を促しています。
高血圧の原因はさまざまですが、食事などの生活習慣は原因の1つです。同研究センターでは投薬による治療だけではなく、生活習慣を見直す重要性も紹介しています。また、症状を自覚できないため、予防には正しい知識が必要とも述べています。今回は高血圧を予防する上で、気を付けるべきポイントを紹介します。
血管の老化は意外と早くから始まる
高血圧の定義は、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、最小血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上とされています。最高血圧は、心臓が血液を送り出すために収縮した状態の血圧です。最小血圧は、全身から戻った血液が心臓にたまり、心臓が膨張している状態の血圧になります。
高血圧は、血管に内側から強い圧力で負担をかけている状態です。そのため血管が老朽化した状態の「動脈硬化」が促進され、血流を滞らせる血栓や、血管が破れるといったことを招きます。血管が多くある臓器ほど影響が大きく、例えば脳、腎臓、目の網膜などに加え、血液を循環させている心臓などが該当します。これらの臓器は高血圧なら脳梗塞、腎不全、眼底出血、心不全などのリスクを背負っていることになるのです。
また、血管の老朽化は30歳代から始まる人もいますので、国立循環器病研究センターは中高年になったら血圧測定や生活習慣の見直しを勧めています。
高血圧を招く原因は生活習慣に… 続きを読む
執筆=村上 哲也
コンサルタント兼ライター
ゼロベースでのコンサルタントには定評があり、担当する顧客とは「戦略」から始め「戦術」まで実行させる本格派。2013年より本業の合間にライター業務も行っており、コンサルタント関係に留まらない幅広い記事の記載を行っている。
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