中小サービス業の“時短”科学的実現法(第14回)「忙しくないときは、早く帰れる」制度

業務課題 経営全般 スキルアップ

公開日:2024.01.09

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 前回から人員配置の無駄をなくすアプローチとして、「稼働対応労働時間制」について解説しています。まずは、なぜこうした制度が求められるのかについて説明しました。今回は、制度の仕組みを紹介します。

 稼働対応制では、就業規則で各所定労働日の労働時間として「1カ月間を通じて1日平均8時間」と規定し、これを、1日に最低働かなければならない「固定労働時間」と、稼働状況によって指示される「稼働対応労働時間」に2分割します。仮に固定労働時間を4時間とした場合、稼働対応労働時間は1日平均4時間となります。

 賃金は1日8時間労働の月給制を採用しますが、月によって労働時間数が異なるため、月給の算定に必要な所定労働時間は年間で規定するとします。ただ、サービス業は日や季節をまたいで稼働状況が変動するので、労働時間も日や月で変動します。結果として実労働時間の所定労働日当たりの平均が8時間に満たない月があったとしても、制度設計の趣旨から月給を減額せず満額を支給することとなります。

図1:稼働対応労働時間制の仕組み

 一見分かりにくいのですが、簡単に言えば、従業員は1日4時間労働、その上に1カ月を通じて平均4時間の「みなし」残業が各所定労働日に命令されているというわけです。つまり、その日の稼働状況で、1日の労働時間を8時間から短縮したり延長したりするのと同じです。

稼働対応制のメリット、デメリット…

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執筆=内藤 耕

工学博士。一般社団法人サービス産業革新推進機構代表理事。世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

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