税理士が語る!経営者が知っておきたいお金の話(第2回)ビジネスで大切なことは「決算書」が教えてくれる

業務課題 資金・経費 増収施策

公開日:2015.07.01

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決算書を読むことは、ビジネスマンにとって必須スキルになってきている

 私が読んだ本のひとつに、『決算書が読めない社員はいらない』(木村俊治著/クロスメディア・パブリッシング)という作品があります。タイトルが示す通り、決算書を読み解く方法を解説する記事ですが、そこには経理畑以外で活動されている従業員の声として「そもそも決算書を読むことの意味を知らなかった」などと書いてありました(『決算書が読めない社員はいらない』p3[2012]より引用)。

 確かに、経営者か経理部にいる人でないと、決算書を読む意味は分かりづらいものです。しかし、たとえば銀行から借入をしようとすると、銀行からは必ず社長による決算書を含む事業計画の説明が求められるように、ビジネスを継続するうえでは欠かせないものです。

 決算書を読む一番のメリットは、その会社が利益を出すための行動、お金を残すための企業行動がすぐにわかる、ということです。私は税理士という立場上、企業の経営者、金融機関の方々と話をする機会が多くありますが、経営に参画している方や金融機関で活躍している方は、みな決算書や財務状況のことを前提に事業計画を考えています。決算書を読み解くというのは、優れたビジネスマンになるための必須スキルになってきているのです。

 決算書の読み方を既にご存知の方も多いと思いますが、中にはいまいちピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。復習の意味も込めて、ここで決算書ともう一度向き合ってみませんか。

決算書で絶対に抑えておきたいポイントは?

 では具体的に決算書を見ていく作業に入ります。決算書は大きく3つの書類に分かれており、1つ目が経営成績を示す「損益計算書」、2つ目が資金の流入と支出を示す「キャッシュフロー計算書」、3つ目が財産状況を表す「貸借対照表」となります。上場企業であればたいていの企業がホームページに掲載しています。自社でも、気になる企業でも良いので、実際の決算書と合わせて見ていただけると、より理解が深まると思います。

 本稿では一般的に決算書を読む順序でお伝えしますが、この中で特に押さえたいポイントは、損益計算書の「営業利益」、キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」です。少なくとこの2つの項目だけは、ぜひご一読いただければと思います。

 

売上総利益:事業の採算がとれているのか否かの判断基準

 それでは「損益計算書」から見ていきましょう。損益計算書で一番上にくるのは「売上高」です。これは商品やサービスを販売・提供したことによる収入を表します。

 次に「売上原価」という欄があります。要は販売物やそのサービスができるまでに必要とした費用のことです。「期首商品」や「期首製品」と示されているものが前期末に残っていた商品で、「期末商品」や「期末製品」は、当期末に残った在庫を示します。

 売上原価は、期首の在庫と当期に掛った経費との合計から当期末に残った在庫を差し引くと、当期の売上高に対応する原価が計算されます。ここで売上高と売上原価の差額が「売上総利益」、いわゆる粗利益となります。

 この時点で利益がでていなければ、利益自体が全く出ないわけですから、不採算事業となります。

営業利益:事業として成り立つための“絶対落とせない利益”

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神谷 拓摩かみや会計事務所

税理士

大阪府吹田市出身。2002年3月履正社高校卒業、2006年3月慶應義塾大学商学部卒業。その後6年間、税務会計事務所、税理士事務所にて税務、会計事務に従事する。2014年6月に独立、かみや会計事務所開業。

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