いわゆる「ゆとり教育」を受けた若者が大学を卒業し、社会人になって6年目を迎えました。彼らは様々な企業や団体で、驚くような問題を起こしています。それにもかかわらず、彼らは
「何もできないのに、自信だけはすごい」
「ちょっと怒るとすぐ落ち込んで、『会社を辞める』と言う」
企業の人事担当者からは、こんな声がたくさん聞こえてきます。この「ゆとり教育世代」(以下、ゆとり世代)をどうやって教育し、企業の戦力にしていくかに、日々頭を悩ませている方々は多いでしょう。
「でも、ゆとり教育はもう終わったんだよね?」と思った読者の方もいるかもしれません。確かに2013年度までに段階的に「ゆとり教育は見直された」と報道されていますが、実態は違います。
ゆとり教育は小学校から高校まで、授業時間を2割、授業内容を3割カットしました。今回の見直しではそのうち授業時間の約5%を元に戻しただけです。表向きは「ゆとり教育は終わった」と言いながら、大筋ではほとんど変わっていないのです。
現在大学を卒業し、社会人になっているゆとり世代は、一番長い人でも小学4年生からゆとり教育を受けた世代に過ぎません。小学1年生からたっぷりとゆとり教育に浸かった〝純粋ゆとり世代〞が大学を卒業し、社会人になるのはこれからなのです。
ゆとり世代の本質を知っていますか?… 続きを読む
柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
関連のある記事
連載記事≪“ゆとり君”と働くために覚悟しておくこと≫
- 第1回 こんなことまで教えなくてはならないのか! 2015.07.01
- 第2回 東大卒でも英語の筆記体は読めない 2015.07.01
- 第3回 少子化による学力低下を、ゆとり教育が加速した 2015.07.02
- 第4回 「純粋ゆとり世代」がこれから社会に入ってくる! 2015.08.19
- 第5回 新入社員にモチベーション教育はいらない 2015.09.24
- 第6回 「自立・自責」の考え方を持たせる 2015.10.29
- 第7回 ゆとり世代「ビニールハウス症候群」への対策は? 2015.11.12
- 第8回 会社は「つらい訓練所」だと教える 2015.12.10
- 第9回 現場には必ず“期待値”があると理解させる 2016.01.14
- 第10回 「僕はできません。だって新入社員ですから」 2016.02.10
- 第11回 2週間に1回の面談と、雑談力をつける訓練をする 2016.03.10