地域活性の焦点(第2回)

住民が集う地域コミュニティーを形成せよ

2016.01.06

クリップについて

 日本社会の高齢化が問題になって久しいが、この変化は私たちが住む地域社会(コミュニティー)のあり方にも大きな影響を与えている。従来、わが国のコミュニティーは住民が密接なつながりを持ち、冠婚葬祭や田植えなどの季節ごとの行事はもちろん、日常生活でも互いに協力しあうという伝統を保ってきた。

 特に地方では住民の強固なつながりが重要な社会基盤として機能していた。ところが戦後の高度成長期以降、大都市圏への人口流出が進み、急速に少子高齢・過疎化が進行したことなどによって地方の生活環境が激変。その結果、長い時間の積み重ねによって築かれてきた地方のコミュニティーが衰退しつつあるのが現状である。

 これまで地方では、地域活性化策や農業振興策の予算などを活用して、公民館・集会所・スポーツ施設といった公共施設を充実させてきた。そしてそれらは、地方におけるコミュニティーを形成する場として役立っている。例えば、公民館では定期講座やサークル活動、展示会などの行事が開催され、住民が集い、お互いの交流を深めるためのさまざまな活動が行われている。

せっかくの施設も、コミュニティー形成には力不足

 ただ、公民館などの社会教育施設を利用する側の住民からは、「気軽に立ち寄れる雰囲気をつくってほしい」「もっと家に近い場所にあるとよい」といった要望が根強い。多額の予算や補助金を投じて立派な社会教育施設を整備しても、肝心の利用者が少なくては意味がない。実際、公民館の場合、文部科学省が行ったアンケートでは住民の半数以上が「1年以上利用したことがない」と答えており、必ずしも、地域住民の多くを巻き込むコミュニティー形成の場として活用されているとは言い難い。… 続きを読む

続きを読むにはが必要です。
まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

SID : 00050002

執筆=林 達哉

関連のある記事

連載記事≪地域活性の焦点≫

PAGE TOP

閉じる
会員登録(無料) ここでしか読めないオリジナル記事が満載
閉じる