ビジネスWi-Fiで会社改造(第9回)
Wi-Fiのトラブルに強くなろう―信頼獲得作戦
2017.09.05
デザイン・シンキングもしくはデザイン思考として、知られる手法について具体的な事例を基に解説する連載の第9回は富士ゼロックスと岩手県遠野市による事例です。一般的な研修とは異なり、ワークショップを中心にした学びの場を提供することで、課題の解決力を身に付けることができる取り組み。テーマは“遠野市の未来”となっており、市職員が参加することで具体的な議論が繰り広げられています。
CASE STUDY 06 富士ゼロックス+岩手県遠野市
遠野みらい創りカレッジ
富士ゼロックスと岩手県遠野市が協力して手がける「みらい創りカレッジ」。ソーシャルデザインの手法により2014年4月のスタート時から1年間で約3600人の社会人や大学生が来訪するまでになった。
柳田国男の「遠野物語」で有名な岩手県遠野市。駅から車で約15分の場所に、遠野市の活性化を狙った研修施設「遠野みらい創りカレッジ」がある。富士ゼロックスと遠野市が協力して研修プログラムの開発から施設の運営まで行っており、2014年4月のスタート時から1年間で約3600人の社会人や大学生が来訪するまでになった。なぜ、みらい創りカレッジが人気を集め、遠野市の活性化につながるのか。その理由は独特な研修プログラムにあった。
「遠野みらい創りカレッジ」の階段状の音楽教室を利用し、海外の大学生を招いたセミナーを開催。この日は、馬の産地としても知られる遠野市の文化を紹介するため、「馬と環境」をテーマにしたレクチャーがあった。海外も馬が生活に根ざしている文化があるためか、参加者は興味深く聞いていた
研修施設は地元で使われなくなった中学校の校舎を利用しているが、室内に古さはなく階段状の教室や外光が差し込む廊下など新しいデザインが取り入れられている
一般的な研修プログラムといえば座学による講義がほとんどで、主な内容は業務の習得などだろう。みらい創りカレッジの場合はワークショップが中心で、学ぶ内容は課題の解決能力だ。企業向けなら例えば、新しい事業化や商品開発の発想法などを学ぶ。ただ、みらい創りカレッジでは統一したテーマがある。それが遠野市の未来だ。
遠野市の産業はどうあるべきか、今後の町づくりや地域の活性化策はどうかなどを、発想法を学びながら考える。重要な点は、ワークショップに住民や市役所の職員も参加させ、社会人や大学生と具体的な議論ができるようにしたことだ。このためアウトプットが、遠野市の新たな産業振興策だったり特産品を生かした新規事業だったり、実践的な提案になっている。今までに来訪した3600人の知見が、遠野市の活性化策になるわけだ。
2014年度の遠野みらい創りカレッジの来訪者(累計)
執筆=日経デザイン編集部 大山 繁樹
ビジネス課題を創造的に解決するデザイン・シンキング
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