新規事業に挑戦!(第14回)葬式、お墓、仏壇の情報をインターネットで提供

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2017.07.10

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 現代の日本は、1年間に120万人以上もの人が亡くなる「多死社会」です。一般的に人が亡くなると多くの日本人は葬儀を執り行います。家族が亡くなった場合は、葬儀の後に骨をお墓に埋葬し、家には仏壇を安置して家族が末永く手を合わせる場所を持ちます。

 葬儀や墓、仏壇など人の死を契機として生じる消費を市場として捉えると、年間約2兆円もの規模になるといわれています。鎌倉新書は、この供養マーケットにおいてインターネットのポータルサイトを通して人々に必要な情報を提供しています。

【社  名】 鎌倉新書
【事業内容】 供養ポータルサイト運営、仏事関連雑誌発行 他
【設  立】 1984年4月
【本  社】 東京都中央区日本橋
【資 本 金】 2億5332万円
【従業員数】 79人 ※2017年1月末時点(アルバイト・パートなどを含む)

国内初、供養に関連する情報をまとめたポータルサイト

鎌倉新書
代表取締役社長 清水祐孝(しみず ひろたか)
1963年生まれ、東京都出身。慶応義塾大学を卒業後、証券会社勤務を経て1990年父親の経営する鎌倉新書に入社。同社を仏教書から、葬儀や墓石、宗教用具などの業界へ向けた出版社へと転換。さらに「出版業」を「情報加工業」と定義付け、セミナーやコンサルティング、さらにはインターネットサービスへと事業を転換させた。現在「いい葬儀」「いいお墓」「いい仏壇」「遺産相続なび」「看取り.com」など終活関連のさまざまなポータルサイトを運営し、高齢者の課題解決へ向けたサービスを提供している

 鎌倉新書が運営している主なサイトは3つあります。葬儀情報を提供する「いい葬儀」、墓地や霊園に関する「いいお墓」、そして仏壇情報の「いい仏壇」です。「私たちが運営しているサイトは、不動産情報サイトに似ています」と話す清水祐孝社長。例えば墓を探す場合、資料を見て気になる墓をいくつか絞り、実際に見学して1つに決めるという使い方や仕組みはまさにマンション選びと同じです。

 「お葬式も仏壇もお墓も、日常的に購入する商品ではなく、しかもかなり高額な買い物なので消費者には購入を失敗したくないという気持ちが働きます。本来であれば、ある程度の情報を得てから、じっくり検討して決めたいと思うところでしょう」と清水社長は話します。

 インターネットで情報を探せるようになるまで、葬儀や墓についての情報源は、ほとんどが週末の新聞に入ってくる折り込みチラシでした。情報が網羅されている媒体はなく、折り込みチラシ以上の情報が欲しい人は、探しているエリア内を車で回るなど、自分の足と目で見つけなければならず、大変な労力が必要でした。

 その後、インターネットで情報を探せるようになってからも、最初はメーカーや販売店などが自社の商品情報を個別に発信するだけで、第三者が多様な情報をまとめたものはなかったといいます。そこで、2000年より鎌倉新書ではそれまで断片的にしか入手できなかった情報をまとめたポータルサイトを作りました。

 サイトでは、地域を指定して検索すれば、そこにある会社や店舗とその特色が分かりやすく表示されます。例えば「いいお墓」の場合は、「価格」や「こだわり条件」で絞り込むこともできます。ここで気に入ったものにチェックを入れて送信ボタンを押せば資料請求することができ、無料で顧客の手元に資料が届きます。

 「いい葬儀」の顧客は3種類に分けられます。まずは、身内を亡くしたばかりの人。次に、本人または配偶者が「もう長くない」と医師から宣告を受けて、葬儀について調べておくようにと頼まれた家族。そして、自分の「終活」のために知識を得たい人です。

 一方、墓探しは葬儀よりも時間の猶予があります。「いいお墓」は、葬儀を済ませて遺骨がすでに手元にある遺族が、日常生活に落ち着きを取り戻してから、家族でサイトを見て墓を探すケースが多いといいます。

 「今は80歳になる社員の父でも、インターネットを使って検索します。このように、シニア世代にまでインターネットが普及して、私たちのサイトを使っていただくことも増えてきました」と清水社長は話します。

鎌倉新書の運営するWebサイト「いい葬儀」

 

仏教書出版から情報加工業へ…

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執筆=森部 好樹

1948年佐賀県生まれ。東京大学を卒業後、旧日本興業銀行に入行。香港支店副支店長などを経て興銀証券へ出向。ビックカメラで取締役を務め、2002年、格安メガネチェーン「オンデーズ」を設立し社長に。2007年共同広告社に移り、2008年同社社長に就任。2013年に退社して独立し、顧問業を専門とする会社、ロッキングホースを創業。現在代表取締役。

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