小さな会社のトラブル抑止(第1回)忙しい事業主。現場は“目”でチェックせよ

デジタル化 トラブル対応

2017.06.30

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 ビジネスの基本は、現場の状況を正確に把握することだ。とりわけ店舗や事務所の経営者は、すぐに判断・意思決定するための情報収集として、現場の状況や変化に常に細心の注意を払う必要がある。しかし実際には、現場が見えていない経営者も多いようだ。現場で何が起きているかを知る重要性について考えてみたい。

 刻々と変化するビジネスシーンの把握は、経営者に課せられた大切な仕事だ。担当者からの報告を聞いたり、経営数値を確認したりするといった間接的な情報収集だけでは不十分。必要に応じて自ら現場に赴いてチェックし、顧客やスタッフの声に耳を傾ける。これは時代や業種を問わず、あらゆる事業運営に求められる常識といえる。

 しかし、日本の全企業数の9割以上を占める中小企業や小規模企業者では、さまざまな業務を経営者一人で切り盛りしているケースも多い。忙しさのあまり、現場のチェックがおろそかになってしまうのだ。

 東京都内で美容院を複数経営するA氏もそんな現状に問題を感じている。A氏は、店舗と離れた事務所に出社して前日の売り上げデータを確認した後、取引先との交渉やスタッフとの打ち合わせ、求人の面接といった業務に追われて1日を終える。顧客サービスの充実をモットーにしているものの、店舗で実際にどのような顧客サービスが行われているかを自分の目でチェックする機会は、それほど多くはない。

 そんなとき、店舗で重大なクレーム事案が発生する。慌てて店長に確認したが、いまひとつ説明が不十分で要領を得ない。また同じ頃に他店舗では陳列していた化粧品が持ち去られる万引き被害が発覚した。「やはり自分で現場の状況を確かめたいのだが、体が1つしかないので難しい」とA氏は嘆く。

 テレビの刑事ドラマに「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ」といった名セリフがある。ビジネスの現場では日々問題が発生し、場合によっては深刻な経営問題に発展しかねない。“忙しい”を理由に現場を見ていない経営者は、いつ足をすくわれてもおかしくない。

カメラに自分の「目」の代わりをさせる…

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執筆=林 達哉

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