少子化時代を生き残る塾・予備校・専門学校のIT戦略(2)

地域格差を救う、ネットを使った教育サービス続々

2015.11.04

クリップについて

 都市への人口集中が続く中、過疎地域が日本中で増加している。地域の人口減による市場縮小は、多くの分野で供給側の撤退・新規進出敬遠を招く。それが、さらなる人口減少・市場縮小を生むという負のスパイラルに陥っている。

 供給側の撤退・新規進出敬遠が、国の根幹である教育に及んでいることも問題視されている。市場規模の小さい地方は都会と比べて予備校や塾が少ないといった教育機会の格差が存在するからだ。子どもの将来を考えると、いくら自然環境が良くても、教育レベルが低くては子育ての場所に適さないのではないか。そんな問題が地方活性化の妨げになりかねない。

大学進学率にはすでに大きな格差が

 文部科学省の「学校基本調査」を基に高等学校卒業者の大学への進学率を計算すると、全国平均では約54.5%になる(平成27年度速報値)。一番高いのは東京都で約66.8%。60%を超えているのは京都府、神奈川県、兵庫県、奈良県、広島県の順で6つ。一方、北海道、東北の各県はすべて40%台、九州も福岡が50%を超えている以外は軒並み40%台で、沖縄は40%を下回っている。人口が集中する“都市圏”を抱える都府県のほうが、大学進学率は高い傾向が顕著だ。

 大学進学率を左右する要素は、地元にある大学の校数、親の年収や学歴などさまざまなものが考えられるが、都市と地方の教育機会の格差も見逃せないだろう。人口が多くて市場規模が大きい都市部には、多くの塾や予備校がある。優秀な人材やノウハウを備えた塾や予備校がしのぎを削っている状況だ。

 一方、地方、特に過疎化が進行している地域は、市場規模が小さく塾や予備校にとって魅力的とは言い難い。優良な教育環境がなければ、どうしても大学進学率は上がりにくい状況になる。子どもを大学に進学させたい親は、それを理由に都市部へ流出してしまう。これも人口減がさらに進む要因の一つといえるだろう。… 続きを読む

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執筆=青木 恵美

執筆=青木 恵美

長野県松本市生まれ。独学で始めたDTP(パソコンによる机上出版)がきっかけで、IT関連の執筆を始める。執筆書籍は『Windows手取り足取りトラブル解決』『見直すだけで安くなる、スマホおトク術』など20冊あまり。Web媒体は日経XTECH、日経トレンディネットなど。日経XTECHの「信州ITラプソディ」は、2008年より10年にわたって長期連載した人気コラム(現在でもバックナンバーあり)。日経パソコン、日経PC21、日本経済新聞などに多く執筆。現在は、日経PC21に「青木恵美のIT生活羅針盤」、日経パソコンに「ちょっと気になるITアラカルト」を好評連載中。

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