定型業務の支援サービス最前線(第3回)活用フローから解説。各RPAツールの特徴を知る

自動化・AI デジタル化

公開日:2019.02.20

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 働き方改革を推進するツールとして、このところ大きな盛り上がりを見せるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。人手不足に悩む企業や、業務効率化をめざす組織で注目の的になっている。

ロボットがオフィスにようやく進出

 アプリケーション操作を自動化する仕組みは以前から存在する。代表的なのはExcelのマクロ機能だ。では、ExcelのマクロとRPAはどこが違うのか。簡単に説明すると、ExcelのマクロはExcel上での作業しか自動化できないのに対し、RPAは複数のアプリケーションをまたがったパソコン操作(アプリケーション起動、データ入力、照合、保存、終了の繰り返し)を自動化できる。つまりRPAは、定型的な業務の多くを自動化するポテンシャルを秘めている。単一のアプリケーション作業しか自動化できない従来のツールとは、一線を画す。

 RPAのメリットは省力化だけではない。人為的ミスの減少も実現する。単調で定型的な作業をRPAは正確に繰り返す。手順を教え込むだけで、導入初日から即戦力として活躍するのは大きな魅力だ。

 RPAツールは現在、ITベンダーから数多くの製品が提供されている。ツールにはそれぞれ特徴があるが、各ベンダーは欠けている機能を次々と追加し、違いは見えにくくなってきた。そこでRPAの活用フローに応じ、その部分に強い、または力を入れているツールにどんなものがあるかを紹介していこう。

視える化から運用までRPAの活用フロー

 初めに確認しておきたいのがRPAの活用フローだ。通常、「業務の“視える化”」→「ツールの選択」→「ロボットの作り込み」→「継続的な改善」と進む。RPAは導入したら終わりではないところに注意したい。

 まず「業務の視える化」では、ロボットにどんな仕事をさせるかを決める。パソコンを使う業務は多岐にわたる。単純な定型作業であっても、操作手順はユーザーごとに違う。漠然と「効率化したい」という捉え方では、たちまち行き詰まる。まずは日ごろ行っている仕事について、個々の詳細な内容と構造を明らかにしなくてはならない。これが「業務の視える化」だ。

 RPAツールを提供する多くのITベンダーは、ロボット化の対象となる業務の選定に協力してくれる。社員への聞き取り調査を実施するなどの、コンサルティングサービスだ。

 世界トップクラスのユーザー数を誇るRPAサービス「Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)」を扱う販売代理店がいくつかある。その1つである日立ソリューションズは、業務を視える化する導入コンサルティングを行う。別の販売代理店ビットも導入コンサルティングのメニューを持つ。視える化の部分は、製品によって違うというよりも、提供企業によってサービスが変わるといえる。

 面白いところでは、NTTスマートコネクトが「AIログ分析」というサービスを、トライアルで提供している。通常、コンサルタントが業務の視える化に取り組むところを、AIがパソコン操作のログを分析して業務を視える化する。

<業務の視える化の選択肢>
・コンサルタントなど専門家による視える化
・AIなど専門ツールによる視える化

 業務の視える化で現状の問題点(ロボットで効率化したい部分)が見えてきたら、具体的なRPAツールの選択を始める。RPA提供ベンダーがコンサルティングを行っている場合は、ほぼ自動的にベンダー提供のRPAツールを導入することになる。

RPAツールの選択…

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