ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.10.03
あなたの会社に「夜遅くまで会社にいる社員が偉い」「サービス残業は当たり前」といった風潮はないだろうか。その状態のままでは、国が定めた法案で罰則が科されるかもしれない。
2018年6月29日、政府が国会の最重要法案と位置づけていた「働き方改革関連法案」が参院本議会で可決、成立した。超少子高齢化で労働人口が減少する中、日本の企業では一人ひとりの生産性向上が求められる。長時間労働や、雇用形態による格差も問題になって久しい。日本が抱えるこうした問題を解決すべく、政府が「戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革」として提出したのが働き方改革関連法案だ。
成立した働き方改革法は、労働基準法、雇用対策法など8本の労働法の改正法案をひとまとめにして呼んだものだ。「残業時間規制」「同一労働同一賃金」「高度プロフェッショナル制度(労働時間規制適用除外制度)」の3つを大きな柱としている。それぞれの概要を見ていこう。
1つ目の「残業時間規制」は、労働時間の短縮を促す。背景には、生産性を高めるためという側面もある。違反に刑事罰が科せられる労働時間の上限を具体的に定めたのが特徴だ。残業時間の上限について「原則月45時間、年360時間」と基準を労働基準法に明記した上、繁忙期には年6カ月まで発動することが認められている労使協定の「特別条項」による例外にも、「上限は年720時間、単月で100時間未満(法定休日労働を含む)」「連続する2~6カ月の残業時間の平均はいずれも80時間以内(法定休日労働を含む)」の制限が設けられた。これらの上限に違反して労働者を働かせた雇用主には「半年以下の懲役か30万円以下の罰金」が科せられる。厳しい規制だ。
2つ目の「同一労働同一賃金」は、正規雇用労働者、有期雇用労働者、パートタイマーといったさまざまな雇用形態の待遇格差を是正するものだ。基本的な考え方は「同じ仕事には同じ賃金」。勤続年数や成果、能力が同じなら、基本給は同額としなければならない。賞与をはじめとした各種手当や休暇、研修なども同様だ。
ただし、合理的な理由があれば、待遇差が認められる。例えば、目標値に対する責任を負っていて、目標が未達の場合には処遇上のペナルティーを課される正規雇用労働者と、ペナルティーを課されないパートタイマーの間には、待遇差があっても構わない。
3つ目の「高度プロフェッショナル制度」(通称:高プロ)は、高度なスキルを持つ労働者を労働時間の規制対象から外すもの。年収1075万円以上で、かつ研究職やコンサルタント、アナリストなど、専門性が高い職種に対して適用される。時間ではなく成果に対応して給与を支払う仕組みに純化できるようにすることによって、プロフェッショナルの生産性を高める。時間に縛られない柔軟な働き方で、スキルをより発揮するメリットが期待されている。
働き方改革法が適用されれば、たとえ繁忙期であっても1カ月に100時間残業したり、2カ月続けて90時間残業したりするような働き方は禁止される。また、合理的な理由なく正規雇用労働者と有期雇用労働者の待遇を変えることも禁止だ。
働き方も待遇も急には変えられない。経営層から管理職、一般社員まで、誰もが今から働き方改革法の適用に備えておく必要がある。経営層、管理職、一般社員に分けて、取り組むべき行動を「残業削減」「仕組み」「心構え」を軸にまとめておく。 …
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