ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載。第2回は、言ったことしかやらない場合の対処法です。
Q 会議で使う資料を「10部コピーしといて」と頼んだら、コピーはしてあるが、クリップ留めなど束ねることはしていない。言ったこと「だけ」しかできないのはなぜでしょうか?
A 繰り返し訓練することで、仕事における「普通」が何なのかを理解させるしかありません。
【対処法のポイント】
資料のコピーを頼まれたら、気を利かしてクリップ留めしておくか、「これ、クリップ留めしておいていいですよね?」と確認するのが普通です。しかし、ゆとり世代は「留めていいのかどうか聞いてないんで、してないんですよ」と言い訳をします。「だったら聞けよ!」と突っ込みたくなるのも無理はありません。
つまり従来のように、「1を言ったら3、4までできる」という常識の下でのマネジメントは、ゆとり世代に対しては危険な方法になります。上司としての対策は、やるべきことを念のため確認させたり、反復・復唱させたりすることが大切になります。
「会議用に10部コピーしといて」と指示したあと、「大丈夫か?」「はい!」→「何をするんだ?」「10部コピーします」→「それだけか?」「え?えーとホチキス留めも」→「そう」。こういう手順で、1を聞いたら2、3が分かるようにトレーニングしていかないといけません。トレーニングを繰り返すことで「会議用に10部コピーしといて!」→「それなら、ホチキス留めしときますね」という会話が自然にできるようになります。
指示したことしかできない原因は「マニュアル慣れ」… 続きを読む
柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
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