集中連載 会社を傾ける社員の不正を許さない(第3回)実例に学ぶ対策1 社員を大切にして不正を一掃!

トラブル対応

2017.03.06

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 夫から引き継いだのは、すさんだ雰囲気の中、製品の横流しが横行していた鋳物会社。改善に挑んだ女性社長は、風土改革に挑み、不正の一掃に成功した。内部不正を経験、克服した経営者による不正対策のポイントは社員の居場所づくりにあった。

 ステンレスなど特殊鋳鋼品の製造販売を手掛ける辰巳工業(大阪府茨木市)。2000年、辰巳施智子会長は、2代目社長の夫からこの鋳物会社を引き継いだ。当時、会社は債務超過に陥っていた。さらに複数の社員が不正を働いていた。出荷前の製品や生産過程で出る鉄くずなどを他社に売りさばき、小遣い代わりにしていたのだ。

辰巳会長。2000年から15年間社長を務め、15年11月に会長就任。現在は娘婿の辰巳毅氏が社長を務める(写真/山本さとる、以下同)

辰巳会長。2000年から15年間社長を務め、15年11月に会長就任。現在は娘婿の辰巳毅氏が社長を務める(写真/山本さとる、以下同)

 「当時は約40人の社員がいたが、半数は見て見ぬふりをしていた」と辰巳会長は振り返る。

 社内の雰囲気は最悪だった。不良品を出しても素知らぬ顔で働いたり、終業時刻の1時間前からタイムカードの前に居座り、時間を潰したりする社員もいた。

 中には「俺らが汗水垂らして働いて、事務所の人間を食わせてやっているんだ」と言い放ち、仕事を頼むと「こんなことやってられるか!」とチェーンを振り回す社員もいたという。

「もちろん金銭の不正を働いた社員は悪いが、すさんだ風土をつくり出した責任は全て経営者にある。申し訳ないと思うと同時に、ここから変えていかないと、不正もなくならないし、業績も上向くことはないと考えた」

 辰巳会長は、不正を徹底的に断つ覚悟をする。まず製品の横流しをなくすため、生産現場に出て在庫数や行き先を一つひとつチェックし、材料・製品在庫の管理システムを構築した。

3日以内に月次決算、損益分岐点越えで努力賞を出す…

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