テレワークのやり方|必要準備とメリットデメリット

2021.03.15

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 2019年に施行された働き方改革関連法や、新型コロナウイルスの影響によって私たちの働き方は大きく変化してきています。その代表的なものの一つに“テレワーク”が挙げられるでしょう。テレワークは大企業だけでなく中小企業でも導入企業が増えており、今後の新しい働き方として注目されています。

 この記事では、これからテレワークを導入する企業向けに概要から解説し、テレワーク実施の流れやメリット・デメリット、注意すべきポイントを紹介します。

テレワークとは?

 テレワークとはICTを活用した場所にとらわれない柔軟な働き方を表す言葉であり、tele(離れた)とwork(働く)を組み合わせた造語です。従来はオフィスで働くことが一般的でしたが、自宅やカフェ、移動中の電車の中など、場所にとらわれない働き方を実現できる手段です。

 テレワークの種類としては、大まかに次の3つに分けられます。

・在宅勤務(自宅で働く)
・モバイルワーク(客先や移動中に働く)
・サテライトオフィス(勤務先以外のオフィススペースで働く)

 働く場所によってテレワークの種類は異なりますが、いずれも会社のオフィスから離れた場所でICTを活用して働いている点がポイントです。例えば、パソコンなどを利用せずに自宅で内職する場合などはテレワークには該当しません。

 なお、テレワークと併せて聞くことが多い“リモートワーク”という言葉ですが、意味としては同じものと考えてよいでしょう。

テレワークのやり方と準備について

 これからテレワークを導入しようとする方の中には、「何から始めてよいのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。そこで、ここではテレワーク実施の流れや必要な準備について解説します。

<テレワーク実施の流れ>
 テレワークを実施する際の流れとしては、大まかに次のような流れとなります。

1.導入目的を明確にする
 テレワークを導入する目的を明確にすることは重要です。目的が明確になっていなければ、最適なテレワーク環境を構築できません。導入目的としては、移動時間の削減や業務生産性・効率性の向上、オフィスコストの削減などが挙げられます。

2.対象範囲の決定
 初めてテレワークを導入する際にはスモールスタートがおすすめです。実際に実施してみるとさまざまな課題が見つかるでしょう。それらを改善しながら徐々に対象範囲を広げていくことでスムーズなテレワーク環境が構築できます。部署によって業務内容は大きく異なります。まずは部署・グループ単位で対象範囲を決定しましょう。

3.現状の把握
 テレワーク導入の可否と併せて、導入目的を達成するために現状の把握が必須となります。テレワーク対象範囲の業務内容や勤務体系などを洗い出します。

4.導入計画の策定
 テレワークの導入に当たり必要となるルールの策定や、必要なツール類を検討します。テレワークでは労務管理も大きく変わるため、就業規則や労働時間・人事評価などの労務管理制度の見直しも導入計画として実施します。

5.実施環境の整備
 リモートデスクトップやVPNなどのテレワークを実施する環境を実際に整備します。これらと併せて、円滑にコミュニケーションを取るための環境も構築しましょう。対面でのコミュニケーションができないため、ビジネスチャットツールやビデオ会議ツール、グループウェアなどの導入も検討するとよいでしょう。

6.説明会の実施
 テレワークを実施すると勤怠管理の方法や業務の進め方、実施のルールなどが変わります。新しい働き方による変化の周知や、従業員の実施に対する不安感の払拭などの目的で説明会は必ず実施しましょう。

7.評価、改善
 実際にテレワークを実施してみると、さまざまな課題や問題点が見つかるはずです。加えて、実施の目的が達成できているかどうかを定期的に評価することも重要です。見つかった課題や問題点、評価した結果を基に改善を繰り返して、より快適で効果的なテレワーク環境が出来上がります。

<テレワークの実施に必要な準備>
 テレワークを実施する際に必要な準備として、次のようなものが挙げられます。

・システムの準備
デバイスの準備
・アナログ物のデジタル化

 システムの準備には、テレワークを実施するためのICTツールやコミュニケーションツールが該当します。VPNやリモートデスクトップ、ビジネスチャットツール、ビデオ会議ツールなどが挙げられるでしょう。

 テレワークを実施する際にはデバイスの準備も欠かせません。従来オフィスで利用していたパソコンを流用するのか、従業員の自宅パソコンを利用するのか、新規にテレワーク用のパソコンを準備するのかなど、新たにデバイスを用意する必要も考えられます。

 加えて、テレワークはネットワークに接続している必要があります。ポケットWi-Fiなどのネットワーク接続ツールの準備も検討しましょう。

 その他にも、テレワークでは従来通りのアナログ対応が難しくなります。例えば、紙の書類を用いる業務やタイムカードによる勤怠管理などはデジタル化しなければなりません。そのため、ペーパーレス化や勤怠管理システムの導入など、アナログ物のデジタル化もテレワークの実施前に必要な準備として挙げられます。

テレワークのメリット・デメリット

 テレワークを導入する際には、メリットと併せてデメリットも知っておくべきです。ここでは、テレワークのメリット・デメリットについて解説します。

<テレワークのメリット>
 テレワークを導入するメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

・通勤時間の短縮、通勤の負担減
・人材の確保
・業務の効率化

 テレワークを導入して在宅勤務となれば、通勤にかかる時間はありません。モバイルワークなどでも満員電車を回避したり、近くのカフェやサテライトオフィスに通ったりすることで通勤に対する負担を大幅に減らせます。

 加えて、病気やけが、妊娠、育児、家族の介護などの理由によってオフィスでの業務が難しい人でもテレワークによる柔軟な働き方であれば、働き続けられます。これらの理由で働けなくなった人材が離れるのを防ぎ、柔軟な働き方に魅力を感じる新しい人材の確保も期待できます。

 さらに、テレワークを実施するためにはあらゆる業務の最適化が必要です。ICTを活用して最適化された業務をオフィスにとらわれずに従業員が落ち着いた場所で実施できるため、業務の効率化も期待できます。

<テレワークのデメリット>
 反対にテレワーク導入によるデメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

・労働時間管理の複雑化
・コミュニケーションが不足する可能性がある
・セキュリティリスク

 テレワークではさまざまな場所で働くことになり、労働時間の管理が難しくなりがちです。長時間労働が発生してしまう可能性も考えられ、労働時間の可視化も検討したほうがよいでしょう。

 また、テレワークではコミュニケーション不足に陥りがちです。業務を効率的に進めるためにも、コミュニケーションを円滑に行える環境の構築は必須といえます。

 社外で仕事をする場合には、情報漏えいや不正アクセスといったセキュリティリスクが増す点もデメリットです。セキュリティ対策はルールの周知徹底と併せて、システム的な対策が必要となります。

テレワークを始める際に注意すべきポイント

 テレワークを導入する際には、次に挙げるポイントに注意しておきましょう。

・必要なツールを想定しておく
・ツールの導入費をあらかじめ予算化しておく
・業務内容に適しているか確認する

 テレワークを導入する際には、さまざまなツールが必要になります。テレワークを実施するだけであればVPNやリモートデスクトップのみでも実現可能です。しかし、コミュニケーション不足やセキュリティリスク、労働時間管理の複雑化などのさまざまな課題を解決するためのツールをあらかじめ想定しておくことが重要です。

 それらのツールの導入費をあらかじめ予算化しておけば、テレワーク導入における費用対効果の測定も可能になります。こちらもポイントとして覚えておきましょう。

 テレワークはすべての業務に適用できるわけではありません。社内業務の中にはどうしても社外で実施することが難しい業務もあるはずです。ICTを活用したテレワークに業務内容が適しているかどうかは、導入前にしっかりと確認する必要があります。

まとめ

 テレワークはICTを活用した場所にとらわれない柔軟な働き方です。その種類は在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィスと働く場所によってさまざまで、いずれも社外で仕事をする働き方となっています。

 テレワークは通勤時間の短縮や人材の確保などのメリットがある半面、労働時間管理の複雑化やコミュニケーション不足、セキュリティリスクなどのデメリットがあります。これらのデメリットはICTツールを組み合わせて解決できる場合が多いため、テレワーク導入前にはこれらの課題に対する解決策も検討したほうがよいでしょう。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

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執筆=太田 勇輔

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

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