ビジネスWi-Fiで会社改造(第39回)
大規模工場でこそビジネスWi-Fiが生きる
公開日:2023.06.15
インターネットの活用が進む現在でも、企業活動における電話のニーズは高い。企業内では今でもPBXを導入して代表番号や内線を利用しているケースが少なくない。ただ、この業務スタイルはいつでもどこでも働ける環境を実現する障壁になりかねない。なぜなら、誰かがオフィスに出社して電話を取る必要があるからだ。しかし、仕方がないと諦めるのは早計だ。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のために緊急事態宣言が発令され、オフィスに出社しないテレワークが一気に広がった。しかし、オフィスには代表電話があり、不特定多数の顧客や取引先から電話がかかってくる。誰かが代表電話に対応しなければ企業活動に支障が出る。そのため、一部の部署や担当者はテレワークへシフトできないという事態が発生した。
企業活動のコミュニケーションのメイン手段である電話は、インターネットが普及した今でも多く使われている。この電話回線を有効に利用するために企業に導入されてきたのがPBX(構内交換機)である。PBXを使えば代表電話にかかってきた電話を担当者につないだり、従業員同士が内線で通話できたりする。
PBXによってオフィスの電話は非常に便利になり、多くの企業が導入した。アナログからデジタルへと機器も進化している。ただし、これらは基本的にはオフィスに出社して働く業務スタイルを前提としたものだ。そこで、これまでとは異なる業務スタイルにも対応できるサービスが提供されるようになった。それがクラウド電話、あるいはクラウドPBXといわれるものだ。
クラウド電話とは、オフィスに設置されているPBXの機能をそのままクラウド上に移したものだ。ベースにはIPというインターネット技術などが活用されている。オフィスにPBXを設置しなくても内線通話機能とPBX機能を実現できるため、クラウド上で今までと同等の機能を利用できると考えてよいだろう。
物理的なPBXを持たないクラウド電話だが、これまで使っていた電話番号をそのまま利用できるケースがほとんどだ。オフィスの電話機から発信すれば相手先にはこれまで使っていた会社の電話番号が表示され、大代表や部門代表といった従来の代表電話で受けた電話は内線電話機能によって転送できる。もちろん、内線同士の通話も可能だ。
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執筆=高橋 秀典
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ビジネスWi-Fiで会社改造