ビジネスWi-Fiで会社改造(第39回)
大規模工場でこそビジネスWi-Fiが生きる
公開日:2023.12.11
深刻な人手不足に悩む建設業では生産性の向上は待ったなしの経営課題だ。ICTを活用したオフィス業務の効率化だけではなく、建設現場で働く人を支援する環境やシステムの整備も必要になる。ビジネスWi-Fiを活用すると、どのように生産性向上を実現できるのだろうか。導入へのアプローチとそのメリットについて考えてみたい。
建設業界における経営課題は、少子高齢化による労働人口減少という問題にとどまらない。2024年4月から改正労働基準法が適用されると、建設業界でも「月45時間、年360時間」という労働時間の順守が求められるようになる。生産性向上のために残された時間は少ない。
多くの建設会社では、これまでもICTを活用した効率化や高度化に取り組んできたはずだ。他の業界とも共通する経理や人事、給与といった管理業務のシステム化だけでなく、CADによる図面作成のデジタル化や設計図面のオフィス内での共有など、建設業界特有の業務にもICTを活用している企業は増えている。
しかし、最も大きな問題は建設現場の効率化をどう実現するのかだ。人材不足が深刻でありながらアナログな作業が多く、ICTの導入自体が難しいとされてきた。どこからICT化を図るべきか分からないまま従来通りのやり方を踏襲している建設会社も多く、デジタル化が遅れているのが実態だ。
実作業のデジタル化は確かに難しい。建設現場で使えるロボットの開発も進んでいるが、どの建設現場でも使えるというものではなく、ロボット自体も高価なため、簡単には導入が進まないだろう。ドローンを使った点検作業の効率化も同じような段階にある。
そんな建設現場のICT活用の鍵となるのは、建設現場の作業者や管理者の負担を軽減するための手段を考えることだ。現実的なアプローチとしては現場からの報告業務など、本社とのコミュニケーション業務をICTで効率化すること。これにより実際に成果を上げている建設会社も増えている。
建設現場でICTを活用するための基盤となるのは、建設現場で利用できるデバイスの導入とデータを送受信するためのネットワーク環境の整備だ。デバイスとしてはタブレット端末やスマートフォンが利用できる。誰もが使いやすいインターフェースを備えている上、カメラも装備されており手軽に導入が可能だ。
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執筆=高橋 秀典
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ビジネスWi-Fiで会社改造