どんなときでも稼ぐ社長の経営習慣(第13回)正しい考え方を身につける

経営全般 スキルアップ

公開日:2023.01.30

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 私がいつも大切にしているのは考え方です。京セラ創業者の稲盛和夫さんが「人が成功するのは3つの要素の掛け算だ」とおっしゃっているのを皆さんはご存じでしょうか。成功は「考え方×熱意×能力」という方程式で決まるそうです。稲盛さんは興味深いことをおっしゃっていて、熱意と能力は0点から100点までだけれども、考え方はマイナス100点からプラス100点まであると。

 仕事をしていく上で能力が必要なのは当然ですね。例えば私のような経営コンサルタントが「貸借対照表って何ですか?」などと言っていたら仕事になりません。熱意だってもちろん必要です。気をつけなければいけないのは考え方で、これはマイナス100点からプラス100点までありますから、熱意や能力がどんなにあっても考え方が間違っていると、大きなマイナス点になってしまいます。だから私は正しい考え方を身につけることをとても大事にしているのです。

 こういうお話をすると、「小宮さん、何を基準にして正しい考え方と言っているのですか」とよく質問されます。私が経営者の皆さんに常々お勧めしているのが、『論語』や『老子』、さらには仏教書のように何千年もの間、多くの人が正しいと認めてきたものをまず勉強することです。こうした2500年近く語り継がれてきたものを経営者がバックボーンとして身につけるのはとても大事です。そして、これらが成功のための原動力だということを多くの人が知らないのは、とても残念です。

 東洋哲学の大家である安岡正篤(まさひろ)先生が書かれた『論語の活学』のように、内容をかみ砕いたものもいいでしょう。私も『論語』はとても好きで、いい解説本がたくさん出ています。古典は難しいと感じる方は、松下幸之助さんの『道をひらく』や稲盛さんの『生き方』から入るのもいいと思います。

 『道をひらく』は短い文章が見開きで120ほど載っていて、私も自宅にいるときは寝る前に2つか3つを必ず読むようにしています。この習慣は25年以上続けているので100回以上は読んでいると思います。私は経営コンサルタントをやっているのでお客さまにアドバイスしたり、お話ししたり、本を書いたりする中で、松下さんだったらどうお考えになるかを常に自分のベースにしたいと思って始めたのがきっかけです。

何度も読み込んで結果が出るまで実践する…

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執筆=小宮 一慶

経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役CEO。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問のほか名古屋大学客員教授も務める。1957年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。米ダートマス大学タック経営大学院に留学、MBA取得。1991年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングに従事。1996年に小宮コンサルタンツを設立。

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