電力小売り自由化を斬る(第1回)

電力小売り自由化で囲い込みが激化。その真意とは

2016.05.25

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 2016年4月1日、電力小売りの全面自由化が始まった。従来は、一般電気事業者(地域電力会社)や特定規模電気事業者が、契約電力量が原則2000kw以上の特別高圧需要家や原則50kw以上の高圧需要家に供給する場合、販売が自由化されていたが、こうした制限が撤廃された。契約電力量が50kw未満の需要家に対しても、小売電気事業者として登録されれば、電力の供給が可能になった。

 日本の電力市場は、20兆円規模といわれる。そのうち、すでに自由化が行われていた契約電力量原則50kw以上が12兆円。小売りの全面自由化により、新たに8兆円規模の市場が開放された。かつての一般電気事業者を含めて295事業者(5月12日時点)が登録小売電気事業者となり、電力の販売競争を繰り広げている。

 小売電気事業者には、自社で発電所を持つ電気会社やガス会社、石油販売会社といったエネルギー関連企業も多い。その一方でコンビニエンスストアを展開するローソン、東急電鉄、旅行代理店のエイチ・アイ・エスなど異業種からの参入も相次いでいる。

 こうした小売電気事業者は自社で発電施設を持っていないケースも多い。その場合、発電事業者から電力を買わなければならない上、送配電は自由化されていないため、地域の電力会社に送配電網の使用料を支払う必要がある。つまり、小売電気事業者が大幅な利益を上げるのは難しい。

 それでも電力の小売り事業に異業種が続々と参入しているのはなぜか。

 大きな狙いは、本業も含めた顧客の囲い込み効果にある。電気の小売り事業では利益が出なくても、本業の業績アップに寄与すれば参入の効果はあるとの考えだ。

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執筆=山本 貴也

執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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