「情報漏えい対策の強化と言われても、狙われるのは大企業なのでは?うちは事業規模が小さいから大丈夫だろう」
こう考える経営者は多いのではないだろうか。今やサイバー攻撃は企業規模に関係ない。小さな企業は「大丈夫」どころか、むしろ「非常に危険」というのが実情だ。近年、大企業は情報セキュリティー対策を強化し、攻撃されにくくなっている分、対策が手薄な中堅・中小企業が狙われるのは想像に難くない。
攻撃者はガードの弱い企業のパソコンを乗っ取り、攻撃の踏み台にして、その取引先である大企業の機密情報を盗み取る。その結果、踏み台とされた企業はサイバー攻撃の被害者になるのでなく、意図せずに加害者になる恐れがある。
セキュリティー対策を怠った企業としてイメージダウンは免れない。取引停止によるビジネス機会の逸失や、売り上げの減少にもつながる可能性も否定できない。長年築き上げてきた社会的信用を一気に失うことを、経営者は肝に銘じる必要があるだろう。
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執筆=山崎 俊明
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