ビジネスWi-Fiで会社改造(第39回)
大規模工場でこそビジネスWi-Fiが生きる
公開日:2018.03.14
コピー、プリント、スキャニング、ファクシミリといった機能を1台に統合した複合機は、業務に欠かせない存在だ。それぞれの機器を個別に導入するのに比べ、設置場所の省スペース化が図れる。ネットワークへの接続もシンプルになる。多彩な機種が各社から販売され中小企業でも導入が進んでいる。
複合機はどのメーカーもほとんど機能は大差ないと考えがちだ。しかし、実際は各社が機能の拡充を進めている。いったん導入すれば、リース期間の5年程度は使い続けることになる。多くの社員が毎日の業務で使用するだけに、機能や操作性はもちろん、消費電力など環境面にも留意して選択したい。
近年、各メーカーが力を入れているのが起動のスピードアップだ。一般的に複合機やコピー機には一定時間、機器を使用しないと自動的に消費電力を下げる節電モード(スリープモード)の機能が搭載される。一方、スリープモードのときに操作を開始しようとすると、ウオームアップのために待たなければならない。
「急いで提案書をコピーしてお客さんのところに持っていかなければならないのに、何で遅いんだ」。こんな経験をした人も多いのではないだろうか。こうしたウオームアップの待ち時間を短縮するため、複合機に人感センサーを搭載。センサーが人を検知してスリープモードを解除し、複合機の前に立って操作するときには使用状態になる。待ち時間のイライラを解消できる機種もある。
ただ、複合機の設置場所によっては人感センサーの機能が「あだ」になる。複合機を利用しない人が近くを通過するたびにセンサーが働くからだ。スリーブモードを解除してしまえば、節電になりにくい。それを避けるため、富士ゼロックスでは、複合機の前に立った人の姿と顔をカメラで検知する画像認識技術を活用。「ApeosPort-VI」や「DocuCentre-VI」シリーズなどでオプションとして搭載できるようにしている。
もう1つのトレンドが操作性のアップだ。複合機に限らないが、最新のOA機器は多機能になる一方、操作が複雑で十分に機能を使い切れないケースが少なくない。多機能な複合機は操作方法が分かりにくいのだ。
そこで、操作しやすいように、大型液晶カラーディスプレーを搭載する動きが進んでいる。例えばリコーの複合機「RICOH MP C6004/C5504/C4504/C3504/C3004」は10.1インチの大型カラータッチパネル「MultiLink-Panel」を搭載。スマートフォンやタブレットのように指でディスプレーをタッチしたままページを送ったり、文字を拡大して原稿の内容をプレビューしたりする操作が可能だ。
また最近は、電子メールに書類データを添付したり、文書を電子化して保管したりする需要が増えた。そのため、複合機の機能の中でもスキャニングの重要性が増している。オプションの装置を利用して、両面同時スキャンを可能にしたり、名刺読み取りができるようにしたりした機種も出てきている。原稿の裏表を同時にスキャンできれば、読み取り時間が少なく、業務効率は上がる。顧客・取引先と交換する名刺の情報を電子化して社内で共有し、ビジネスに活用するために専用端末を用意する必要もなくなる。
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執筆=山崎 俊明
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