部下のやる気に火をつける方法(第14回)自主性のないところにコンプライアンスはない

人材活用

2020.04.09

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 パフォーマンス心理学の最新の知見から、部下をやる気にする方法を紹介する連載。部下に対して効果的にメッセージを伝える方法を紹介する第4回は、自主性を重んじることの大切さです。例えば、コンプライアンスを守らせるものではなく、自主的に守るようにするものです。規則で縛り上げず、自主性を重んじたほうが、部下はやる気を出して活躍が期待できます。

部下の感情にまで届くメッセージ発信の技術(4)


規則で縛り上げず、自主性を重んじる

 少し前、東芝の不祥事が次々と新聞に取り上げられ「一体あの会社にはコンプライアンスがなかったのか」という発言が続きました。コンプライアンスの規則書はたくさんあったのでしょう。しかし、なぜ不祥事が相次いだのか。

 「基本的なルール」を明示している一番分かりやすい例は、商品のトリセツ(取扱説明書)でしょう。例えば、東芝の冷蔵庫を買えば分厚い説明書が付いていて、こうした場合に壊れたとしてもそれはあなたの責任、何もしないで壊れたら会社の責任、などと事細かに書いてあります。

 このように細かく書けば書くほど、実は冷蔵庫を買った人はトリセツを読まなくなります。面倒臭いからです。私もいつもパソコンや携帯電話のトリセツが多いことにへきえきし、向こうに置いておいて、実際最初に読むのはどこか故障したときです。

 部下については取扱説明書がありません。どうしたら壊れてしまうのか、1人ひとりが全く違うため、取扱説明書があっても画一的には役に立たないはずです。部下の自主性を重んじれば、彼(彼女)はさまざまな能力を発揮しやすくなります。自分が認められ任されていると感じれば、事細かな規則書で縛らなくても、会社で何をすればいいか、自分も楽しめるかなどと自己責任で自ら考えていくようになります。

 これが本当のコンプライアンスでしょう。自主性とコンプライアンスは一見正反対のところにあるように見えますが、実は自主性のある人が自らコンプライアンスを守ろうと思うわけです。

部下が自由にものを言えるムードを育てる…

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執筆=佐藤 綾子

パフォーマンス心理学博士。1969年信州大学教育学部卒業。ニューヨーク大学大学院パフォーマンス研究学科修士課程修了。上智大学大学院博士後期課程満期修了。日本大学藝術学部教授を経て、2017年よりハリウッド大学院大学教授。国際パフォーマンス研究所代表、(一社)パフォーマンス教育協会理事長、「佐藤綾子のパフォーマンス学講座R」主宰。自己表現研究の第一人者として、首相経験者を含む54名の国会議員や累計4万人のビジネスリーダーやエグゼクティブのスピーチコンサルタントとして信頼あり。「自分を伝える自己表現」をテーマにした著書は191冊、累計321万部。

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