オフィス・店舗の疑問(第7回)

事務所立ち上げまでの流れ・メリットやデメリット

2021.03.30

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 近年、政府が起業の支援をしていることもあり、昔に比べて事務所や会社の立ち上げは容易になりました。その結果、多くの事務所や会社が設立される一方、具体的に事務所や会社の立ち上げに伴いどのような対応を行えばよいか分からない方も増えているのではないでしょうか。

 この記事では、事務所や会社を立ち上げるまでの大まかな流れの解説と併せて、立ち上げのメリット・デメリット、立ち上げの際に必要なものについて紹介します。

事務所・会社を立ち上げるまでの流れ

 事務所や会社を立ち上げる際には、大まかに次の5つの流れに沿って準備を進めます。それぞれの工程でやるべきことや注意すべきことについて見ていきましょう。

<1. 事業計画の策定>
 事務所や会社を立ち上げる際に、必ずしも事業計画をどこかに提出しなければならないわけではありません。しかし、具体的な事業計画が明確でなければ、この先成功するのは難しいでしょう。

 事業計画は事業内容や開業の動機、目標をはじめとして、市場や商品・サービスの分析なども併せて記載します。事業計画書を作成しておくと融資を受けやすくなるだけでなく、開業後に迷った際の立ち戻るべき道標にもなります。

<2. 会社名・本店所在地を決める>
 会社名を決める際には、似たような名前が同じ業界にないかを事前に確認しましょう。

 少なくともインターネットで検索した際や所在地域に、似た会社名があると不都合が生じる可能性があります。

 例えば、インターネット上に似た会社名がすでに存在している場合、Webサイトへの集客が難しくなりかねません。取引先や顧客からあなたの会社サイトが見つかりづらくなるからです。

 また、会社の住所となる本店所在地は事業活動を行う場所を選ぶものですが、自宅を選択することも可能です。ただし、賃貸物件で自宅を本店所在地にする場合は、大家さんの許可を事前に取っておきましょう。

<3. 開業に必要な費用を見積もる>
 まずは事業計画を基に、初年度に必要な費用を見積もります。仕入れや店舗・オフィスの賃料などの経費も含めた運転資金の見積もりは重要です。運転資金としては3~6カ月分が準備できていれば安心できます。

<4. 資本金の決定、開業資金を調達>
 資本金は自身が持っている運転資金(自己資本)を表しますが、会社を設立する際の資本金は1円でも問題ありません。ただし、業界や業種によっては資本金の額が信頼につながる場合もあり、注意が必要です。

 また、資金調達を考える際には査定のときに資本金が見られるケースもあり、融資を受けたい場合は資本金も多めに準備しておいたほうが安心です。

<5. 設立の手続きを行なう>
 ここまで準備が完了したら、事務所や会社を設立する手続きを行います。設立の手続きは個人事業主と法人とでは必要となる書類なども全く異なるため注意が必要です。

 個人事業主の場合は自分一人でも手続きは簡単に行えますが、法人の場合は複雑です。行政書士や司法書士に手続きを依頼する選択肢も考えておくとよいでしょう。

事務所・会社を立ち上げるメリット・デメリット

 事務所や会社を立ち上げる際にはメリットはもちろん、デメリットも存在します。ここでは、個人事業主の場合と法人の場合でのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

<個人事業主のメリット・デメリット>
 個人事業主として事務所を立ち上げる場合のメリット・デメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

(メリット)
・開業の手続きが容易
・節税対策ができる

 個人事業主として開業する場合は、事業の追加・変更・廃止は原則いつでも可能です。開業届を提出するだけで済み、手軽に始められる点はメリットといえるでしょう。加えて、確定申告で青色申告が行えるようになり、最大65万円の所得控除が受けられ節税対策にもなります。

(デメリット)
・社会的な信用度が法人よりも低い
・融資を受けにくい
・利益が多いと税負担が重い

 個人事業主は法人のように登記するわけではないため、社会的な信用度は法人に比べて低くなります。また、企業によっては個人事業主を避けて法人とだけ取引する企業もあるため、この点はデメリットといえるでしょう。

 加えて、個人事業主は事業資金と個人の生活費の境目が曖昧になりがちであり、融資を受けにくい点もデメリットです。さらに、個人事業主として年間所得が330万円以上になると税率は20%となり、法人のほうが税率は低くなります。330万円がボーダーになる点はデメリットとして覚えておくべきでしょう。

<法人のメリット・デメリット>
 法人として事務所を立ち上げる場合のメリット・デメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

(メリット)
・社会的信用を得られやすい
・融資が受けやすくなる
・利益が大きくなるほど課税負担が少なくなる

 法人の場合は個人事業主と違い、会社を設立するため社会的な信用は得やすくなります。また、融資も受けやすくなり、許認可事業も行いやすくなる点はメリットといえるでしょう。

 加えて、個人事業主の所得税率は最大で45%ですが、法人の場合は23.2%です。利益が大きくなるほど課税負担が少なくなります。

(デメリット)
・登記など行政手続きが煩雑
・赤字でも法人住民税の支払いの義務がある
・事業の廃止にもコストがかかる

 法人は個人事業主のように簡単に立ち上げられるものではありません。個人事業主は開業届だけで済みましたが、法人の場合は登記のために会社定款や委任状、出資の履行コピー(出資払込証明)、登記申請書の作成などが必要です。また、税務署だけでなく社会保険事務所にも届け出が必要で、行政手続きが煩雑な点はデメリットといえるでしょう。

 加えて、赤字でも最低7万円ほどの住民税を支払わなければならず、事業を廃止する際にもコストがかかります。その他にも、税理士などのプロの手を借りなければ対処が難しい手続きが多く、個人事業主よりも金銭的なコストがかかる点は注意が必要です。

事務所・会社を立ち上げる際に必要なものとは?

 事務所や会社を立ち上げる際に必要なものは、個人事業主と法人で異なります。特に手続きに関する部分は大きく違うため、その点は別途調べることをおすすめします。

 ここでは、事務所や会社を構える際に必要となるものについて見ていきましょう。必要なものとしては、次に挙げるようなものが考えられます。

・印鑑
・会社ロゴ
・名刺
・自社Webサイト
・インターネット環境
・電話・FAX回線
など

 昨今は「脱ハンコ」が進んでいますが、登記などの手続きの際にはまだ印鑑は必要とされています。代表者印や銀行印、認印などの印鑑は必要となるでしょう。また、会社ロゴや名刺などは新規に立ち上げた会社を広く認知してもらうために必要です。同様に自社Webサイトもインターネットを通じて認知してもらう手段として有効であり、近年では自社Webサイトを持っていない会社のほうが少なくなっています。

 その他には、インターネット環境や電話・FAX回線の準備など、オフィスで業務を行うOA機器類が必要になります。

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 近年は昔に比べて会社の設立が容易になり、起業ブームともいえる時代です。事務所や会社を立ち上げると一言でいっても、個人事業主か法人かの2択が存在し、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

 これから事務所や会社を立ち上げたいと考えられている方は、自身の状況に合わせて個人・法人を選択して準備を進めてみてはいかがでしょうか。

 なお、法人設立を考えている方は、インターネット環境の構築やビジネスフォンの準備は必須といえます。会社としてオフィスを構えるならば、インターネットが主流の現在であっても電話の存在は欠かせないでしょう。

 NTT西日本ではビジネスフォンからインターネット回線まで、オフィスの電話をトータルサポートするサービスを提供しています。お客さまの事業内容や規模に合わせて、選べるビジネスフォンのラインアップを複数用意しております。加えて、ボイスメール対応機能やボイスメールのバックアップ機能も備えており、停電時などの電話不通による業務停止を回避するBCP対策にも対応します。

 オフィスのインターネット環境やビジネスフォンでお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

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執筆=太田 勇輔

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

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