ビジネスWi-Fiで会社改造(第33回)
Wi-Fi整備で外国人観光客自身の情報発信を促す
公開日:2023.04.25
社内の情報セキュリティ体制を確立するには、会社としてファイアウォールやアンチウイルスソリューションなどのセキュリティシステムを導入するだけでは十分ではない。システムの利用者である従業員のセキュリティリテラシーを高めることが、セキュリティ対策の実効性を向上させる鍵になる。そうした従業員教育にお勧めしたいのが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が無料で提供している情報セキュリティ教材の活用だ。
IPAが提供している「情報セキュリティ教材」は5つのカテゴリーから構成されている。「情報セキュリティ対策」「手口を知る」「SNSとの付き合い方」「情報社会の問題解決」「情報に関する法や制度」だ。企業としては「情報セキュリティ対策」や「手口を知る」「情報に関する法や制度」あたりから活用しよう。
「情報セキュリティ対策」には、コンピュータウイルス、ネット詐欺、パスワード、外出先での利用、物理的なセキュリティ対策の5項目があり、コンテンツを組み合わせて活用しやすいようにそれぞれに小項目を用意している。
小項目のスライドは全てMicrosoft PowerPointで作成されていて、項目ごとに「考えてみよう」「答え」「対策の解説」といった3枚のスライドに内容がコンパクトにまとめられている。短時間でテンポよく講義を進められるように工夫されているのが大きな特徴で、スライドのノート部には講義する側のセリフ例も記載している。
例えば、「コンピュータウイルスとは?」のスライドでは、そもそもコンピュータウイルスとは何なのかという定義を説明し、「OSなどを常にアップデートしておく」「メールの添付ファイルを安易に開かない」といった基本的な対策を紹介している。
パスワードの項目では、「複数のサービスでパスワードを作る際の注意点」でコアパスワードとサービスごとに異なるキーワードによるパスワードの作り方を示し、「パスワードの管理」でどのようにパスワードを適切に管理するかを解説している。
「手口を知る」では、IPAが発表した「情報セキュリティ10大脅威2023」でも第一位になったランサムウエアについての解説があり、ランサムウエアに感染するとどうなるのか、被害を防ぐには「データをこまめにバックアップする」「身代金を払わない」といった対策を示している。
いずれも内容的には初心者向けだが、従業員のセキュリティリテラシーを向上させるという目的を考えると、第一歩としては十分活用できるレベルといえるだろう。
\ かんたん入力で登録完了 /
執筆=高橋 秀典
【TP】
最新セキュリティマネジメント
企業の情報セキュリティリスク認知調査2023
テクノロジーの進化によって、生産性の向上や多様な働き方の実現などの恩恵がもたらされる一方、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。こうした中、攻撃手法などの情報セキュリティリスクをどれくらい認知しているのだろうか。その最新動向について調査しました。
情報セキュリティ対策意識調査2022
DX推進が企業にとって成長のドライバーとなる中、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。AIやRPAなど各種のICTテクノロジーや、社内外のコミュニケーションを円滑化するクラウドストレージ活用が進む現在、企業における情報セキュリティ対策はどうなっているのだろうか。対策度合いや、脅威に感じるもの、対策をするうえでの課題などの最新動向について調査を行いました。
その対策は効果ナシ!セキュリティの常識を検証する
サイバー攻撃の被害が深刻化し、従来のセキュリティの常識が 崩れ始めています。本当に必要な対策とは何か?情報セキュリティ大学院大学の大久保隆夫教授にお聞きしました。